Monthly Archives: 10月 2010

峠の国盗り綱引き合戦

 一見平和に見えるこの国で土地の境界を巡る小さな紛争が起こっていたのをご存じであろうか。

 時は2010年10月24日先勝。信州(飯田市南信濃)と遠州(浜松市水窪町)の間で境界を巡り、兵越峠にて小さな合戦が行われた。

より大きな地図で 峠の国盗り綱引き合戦 を表示
 合戦は、両軍10名の少数精鋭による「綱引き」による勝負であり、先に2勝した国は国境を1m広げることができると定められている。昭和62年より過去23度行われており、遠州軍は11勝12敗という結果で国境を1m狭くなっていた。その遠州軍を応援するため、この三村が備中の地より遠州軍の応援に馳せ参じた訳であります。
 もちろん小競り合い(一般)には参加して、しっかり筋肉痛になって参った次第であります。

 結果は言うまでもなく、私が応援する遠州軍勝利。
 壱戦目危なげなく勝利し
 弐戦目は勝利目前で信州に隙をつかれ敗退
 参戦目に実力の差を見せつけ勝利
第24回峠の国盗り綱引き合戦
(↑この画像は是非クリックしてじっくりどうぞ)
 これにて国境は24年前の地点に戻ったわけであります。
 尚、遠州軍の実質の大将は水色のハッピを着た武将。この大将と少し酒を飲まして頂きましたが、宇多田ヒカルの「Automatic」が大層お好みのようで、お酒の席でもずっと振り付きで歌っていらっしゃいました。かなりその振りが大変刺激的でありトラウマとして染みついております。
 何はともあれ、本気の戦とはこうあるものかと、我が身を省みる合戦でありました。
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チベット問題


 『ダライ・ラマ自伝』という本を読みました。
 さすが講演を世界中で数多くこなしているだけあって、笑いあり涙ありで面白く読めます。チベット仏教の考え方や、チベットの不可思議な文化、その時々に出会った人の人物像や見た目等も面白おかしく書いてあり面白い。
 しかし中盤からは、完全にトーンも代わり、チベット人に対して行われた残虐な拷問などの内容も記載されており、読むこと自体が辛くなってくる。

 ここにも、本文より引用すれば拷問等の相当刺激的な文もあるけれど、現在はそこまでひどい拷問はさすがにされていないようだし(外国人が観光に来たりしている中でそれはできないだろう)、中国批判をしたいわけでもないので、引用はしない。
 もし興味があれば、拷問については「人権問題 – ダライ・ラマ法王日本代表部事務所」に色々書いてある。これはチベット側の主張だし原文も英語で検証もできないので、真意の程は私にはわからない。
 しかし、色々な意見を読んで、チベットが独立国であることを否定する論評はあっても、中国が過度の人権侵害を行っていることを否定しているようなモノはほとんどない。

ちなみにチベット問題について、なんぼか検索したところだと
チベットをすてたイギリス – 田中宇
北京五輪チベット騒動の深層 – 田中宇
チベット問題の歴史淵源 – オカメインコの森
国外勢力がいかにチベット独立を画策してきたか – 人民日報
⇒人民日報は中国側の意見として

 もしよければ一読してみてください。
 尚、この記事のタイトルを本の題名にしていない理由は、以下にこの本以外の事も書こうと思ったからです。以下チベット問題の簡単な自己満足概略。
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小説『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

 友達に勧められて読んだ小説
 いい加減返さんと

 この小説を紹介するには、説明書きをペタッと貼るだけで十分だったりする。
 とりあえずコレを読んで頂戴。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

 この説明が秀逸すぎて、これ以上のコメントは…
 本当に最後から2行目びっくりさせられる。これだけフリがあってもびっくりする。
 そして必ず二回読む。

 もう少し情報を付け加えると、作者の乾くるみさんは静岡大学理学部数学科卒業。
 まさに数学の証明問題のように、精緻に組み上げられている。

 最後の2行までは、何のことはない小説。個人的には嫌いじゃなかったんだけど。小説を読み慣れた人には退屈に感じるだろうと思う。
 まあ問題は最後から2行目です。これは本当にオススメです。

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コンサート『OHARUTAIKO CONCERT ~TAISAI 2010~』大治太鼓

OHARUTAIKO CONCERT~TAISAI 2010~
 和太鼓の演奏を聴いてきた。

 場所は愛知県芸術劇場の大ホール。
 客席も殆ど埋まっていて約2000人との事。
 演奏は大治太鼓

 保育園や幼稚園の子もちょこっと出演すると言うことで、家族連れも多く、赤ちゃんの泣き声が結構聞こえていた。しかしその泣き声も、演奏が始まるとさっと収まっていた。赤ちゃんまでもが聞き入っていたに違いない。
 中盤でひょっとこが現れ、笑いに包まれている頃にはホール全体が一つになっていたんじゃないかな。
 ひょっとこに促されて、観客も手の太鼓で演奏に参加。その頃には赤ちゃんの笑い声がそこら中から聞こえていましたよ。

 あの赤ちゃん達の反応は素の人間の反応だったんだろうと思う。

 途中、3~4mはあるだろう大太鼓が出てきた所は本当にすごかった。
 床がぱっくり開いて、「あぶねーなー」と思っていると奈落の底から大太鼓が現れる。
 そして、大太鼓と一緒に現れたムキムキマッチョな男性に、スポットライトがばしこんと当たる。かけ声と共に大きく振りかぶって叩き始める!
 太鼓の音!
 叩く姿!
 そりゃあもう惚れまっせ。
 中盤の体力のある内に一回だけでてきたというのは、相当体力がいるからなんだろうなと邪推。

 そんな素晴らしい個人プレーがあるかと思えば、十数名の演者が同じリズムで太鼓を叩く姿も本当に圧巻。訓練された演者の一糸乱れぬ姿に心がやられてしまう。

 パフォーマンスや照明、色々な工夫がありそれも楽しませてくれた。
 撥を投げたり回したり、美しき巫女さんが出てくるわ、真っ暗な中で光る撥を使って叩くわ。
 途中で出てきた、保育園や幼稚園の子達も普通に上手だった。手のあげ方、音のそろい方。かけ声。かっこよかった。

 椅子が、ホールが、震えるのを感じながら、全身にバシバシ日本文化のすばらしさを感じていましたよ。

 これまた行こうっと。一緒に行ってくれる人募集。
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本『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』磯崎哲也


 この本の対象となる「ベンチャー企業」という言葉について以下の定義が与えられている

単に「自分で経営者として事業を行っている」だけでなく、「今までに比べてコストが何分の1にもなるサービス」とか、「今までになかったニーズの新製品」を売るなど、「イノベーション」を思考する企業

 この本は「(ハイリスク)ハイリターンを志向する会社」を想定している。例えば副業で「不動産を買って不動産賃貸業を始めよう!」みたいなのは対象ではない。

 さすが有名ブロガーが書く文章で、とても読みやすい。人生一回くらい「ガツンとやってみたい」と思う人は是非に。
 あと、実は税理士を中心とした不勉強な専門家に向けて書いているんではないかと思う。多くの税理士は株式で資金調達なぞ意識したことがないんじゃないだろうか。税理士の研修会が色々あるけれど、そんな研修会少なくとも名古屋ではまだ見たことがない。(銀行対策は山ほどある)
 起業する人は自己防衛として。税理士は専門家として。知っておくべきと思う。(もちろん税理士はこの程度で満足しちゃいかんね(><))

序章 なぜ今「ベンチャー」なのか
第1章 ベンチャーファイナンスの全体像
第2章 会社の始め方
第3章 事業計画の作り方
第4章 企業価値とは何か
第5章 ストックオプションを活用する
第6章 資本政策の作り方
第7章 投資契約と投資家との交渉
第8章 種類株式のすすめ

以下には自分なりの主要ポイントだと思った点まとめ
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『国家の罠(外務省のラスプーチンと呼ばれて)』佐藤優

 かなり面白かった。
 面白いと思ったポイントは
●プロの情報戦を知れる
(最前線の外交官と検察官僚)
●ロシア外交を知れる
(特に北方領土問題)
人によっては
●冤罪ってのはどうやって生まれるのか
●獄内はどうなっているのか

とかも面白いポイントだと思う。

 この本は、ロシア外交の最前線で戦っていた佐藤優氏の2002年5月14日に行われた逮捕を中心として描かれている。その逮捕について自身で解説する形をとりながら、当時のロシアやイスラエルとの外交関係や、鈴木宗男という人物評、政治家と官僚の関係性、外務省の様子、検察の様子等をガンガン説明していく。
 情報屋が、冷静にこの国を眺めるとこんな風に見えるのか。と思う。

 読み終わった今はかなりこの人凄い。と思っているけど、どこか情報操作されているかもね。
 そういえば、ロシアでは仲良くなると男同士でも口と口で熱いキスを交わすらしい。もっと仲良くなると…ゴホンッ。情報屋凄い。

ぜひ読んでみてちょ。
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