ネタバレなんて気にしない!
憎しみってのはやっぱり、その人の人間らしさを映し出すという点で、非常に美しいですよ。松たか子と木村佳乃の美しき名演技を見られただけで大満足です。
また、音楽の演出が憎いですね。
挿入歌の Last Flowers – Radiohead これがたまらない。
コンビニで店員さんのしゃべっている声は聞こえないのに、それに対応する木村佳乃の絶望の声だけが聞こえてくる。一切の雑音が排除された音の演出がめっちゃ心をゆさぶってきやした。
中身的には、子供を殺された松たか子演じる森口先生が、その殺した生徒の牛乳にこっそりHIVに感染している血液を混ぜて飲ませる、ってなところから始まる。そのクラスの子たちには、人殺しであることと、牛乳に血液が混じっていることをも伝えられ、殺した子は当然苛められる。
原作が推理小説ってなことで、それぞれがそれぞれの気持ちや事実を告白していくことで、事実がちょっとずつ明らかになっていく。そんなに目新しいことがあるわけではないけど。中学生の行き当たりばったりな思考が明らかになるのは、身に覚えがあるような。
不安定な生徒が、より不安定になり、どんどん状況は悪化していく。
この映画、母親から子供への愛だけが真実だという書き方がしてあるんだと私は思ったけれども(そーいう映画ではない。はずだがw)。多少いびつながらも。それを裏にしっかり「憎しみ」がこれでもかと描かれていて面白かった。
エンディングも、結構好きだなー。あれ、最後おっかあは死んでないよね。メインの回路切っていたし、松たか子の最後の涙声は母としての声ですよ。本人は憎くても、他の母を傷つけるようなことができるような流れではなかったとおもふ。けど。どうかな。
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