Monthly Archives: 4月 2012

非営利法人の税制等比較(一般社団法人、NPO法人、株式会社)

 非営利活動をしようと思うなら、組織選択についていくつかの選択肢がある。
 規模が小さいうちは不要かもしれないが
・寄付や助成金の増加
・資産の保有
・利益が出た

等ということになってくると、法人化が必要な場合もでてくると思う。
 しかしながら、様々な制度改革があり、法人の選択肢も増えた。また制度も複雑になってきているのでまとめてみたい。想定は、特に組織も財産も持ち合わせていない個人が何人か集まって非営利活動をしている。というイメージ。

 この前提で選択肢にあがるのは次の法人形態かなと思う。これらについてまとめてみる。
(なおNPO法については、平成24年1月1日施行分も反映させているつもりです。リンクには根拠法などへのリンクが入れてあります。)

 他にも、一般財団法人、持分会社、社会福祉法人等の様々な可能性がある。
 この中でも、認定NPO法人はNPO法人からの出世法人公益社団法人は一般社団法人からの出世法人で、まずは、稚魚であるNPO法人なり、一般社団法人からのスタートとなります。ですので、この記事ではまずは、一般社団法人、NPO法人そして株式会社ついて簡単に説明して、認定NPO法人や公益社団法人は、次回にしたいと思います。

 で、現れる次の表です。(この表がほしくて作った記事のようなものです。似たような表はあるのですが、一般社団が分けられていなかったり、税制上の比較が無かったり。ってなことで。)

一般社団法人 NPO法人 株式会社
税分類 右以外 共益 非営利徹底    
根拠法 一般法人法 NPO法 会社法
設立手続 登記 認証+登記 登記
主たる目的 制限なし 共益目的 制限なし 公益限定20分野 制限なし
所轄+監督 なし 都道府県等 なし
設立にかかる期間 最短1日 約4ヶ月 最短1日
報告 なし 年1回 なし
法定設立費用
・定款認証
登録免許税
 
・5万円
・6万円
 
・0万円
・0万円
 
・5万円
・15万円
設立時
最低人員構成
社員2名
理事1名
社員2名
理事3名
社員10名
理事3名
監事1名
株主1名
取締役1名
剰余金の分配 原則不可 不可 不可 株主へ
残余財産の分配 定めなし 公益法人等 公益法人等へ 株主へ
法人税 全所得課税 収益事業課税 収益事業課税 全所得課税
消費税:
国等の特例
 
あり
 
あり
 
なし
みなし譲渡非課税 後日

名前

 宇多田林檎という名前の法人を作るとすると
一般社団法人 宇多田林檎
特定非営利活動法人 宇多田林檎
株式会社 宇多田林檎

 などという名前になります。この付く名前によって、全く様相が変わってきてしまう。

どれを選ぶ?

 ごちゃごちゃ書いていますが、正直上記表を眺める以前の問題として、NPO法人については4万社を軽く超え社会的な認知や信用も積みあがってきており、借入や補助金については一般社団等よりも有利かもしれません。
 例えば「NPO法人 助成金」と検索すると、大量に助成金情報がでてくる。借入についても少しずつですが融資実績が積みあがっているようです。

日本政策金融公庫(略称:日本公庫)国民生活事業の平成23 年度NPO法人向け融資実績は、532 件(前年度比138.5%)、38 億円(前年度比139.2%)となり、件数・金額ともに5期連続の増加となりました。
日本公庫のNPO法人向け融資実績 5期連続増加(日本政策金融公庫ニュースリリース)

 ただし、NPO法人は信用の裏返しとして縛りも大変きつい。「公益目的」であることが求められ、これは、構成員の利益のみになるような活動(共益的)な活動ではだめということであったりします。また、事業報告を求められる等、色々と制約があり、手間がかかる。
 助成金等の助けをそこまで必要としないのであれば、柔軟な対応が出来るという意味で一般社団法人の選択もありなのではないかと。
 また、通常の借入等はおそらく株式会社が有利であり、収益が求められるような事業を行うのであれば、株式会社もありなのだと思います。

 以下表の中身について少し説明すると
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『世界史』William H. McNeil

 記憶力が悪く何度読んでも頭に入らないのに、それでも気になる歴史(笑)

 ユダヤ教やらヒンズー、仏教の起源とか軽くでも分かると面白いもんですね。
 ユダヤ教が一神教をとる理由は国家が広くなることに対応するため。国家が広いのに多神教では、地域と国とかで矛盾が生じかねない。
 膨大な人が、組織が動くに当たって考えに矛盾を起こさないような、宗教を作るってどんだけ膨大な脳みそを使えばいいのか。。。民法読むだけで寒気がするほど、凄さを感じるのに。
 もちろ少しずつ改良を加え、かつ、ラビの解釈で矛盾を解消したり読み替えちゃったりしているわけだが。でも、2000年以上続く宗教を作り上げた、その時代の偉人達のすごさといったら。

 インドで仏教ができたのに、同じ時期に出来たヒンズー教が広まったのは、仏教は戒律が厳しすぎ、かつ、誕生、死、結婚、成年とか、日常生活に関わる儀式がなかったから。これはなんか、マーケティングの問題っぽいw

 序文でこんな事が書いてある。

本書をまとめる基本的な考えは簡単である。いついかなる時代にあっても、世界の諸文化間の均衡は、人間が他にぬきんでて魅力的で強力な文明を作りあげるのに成功したとき、その文明の中心から発する力によって攪乱される傾向がある、ということだ。(P36)

 愚かかもしれないけれど、一つの公式のようなものを与えてもらえると非常に安心するなあと。

 あとはだらだら復習のために書き綴っているだけなので。お帰りいただいたほうがいいと(笑)
 興味ある方は是非お買い求めくださいー。
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ノンフィクション『遺体』石井光太

 311後、遺体安置所とて使われた旧二中の3週間を綴った本。
 結構色んなところで紹介されているので、読まれた方多いのだろうなと。

 登場人物は遺体安置所の管理者に名乗り出た元葬儀屋、遺体搬送を任された地方公務員、検死を行う医者や歯医者、海上の遺体を引き上げる海上保安官等。それぞれの主観から、どう見ていたのかが書き出されている。
 焼け焦げた遺体の検歯をする歯科医。知り合いの遺体を搬送する公務員。自衛隊の捜索。NHKのドキュメントでは映し出せないような描写が、しっかり書かれています。

 読みながら一つ大きく考えておったのが、坊さんという職業。
 この本では坊さんというよりは元葬儀屋のおじさんの存在感が凄くでかいのだけど、死に直面した人たちに声をかけ、涙を流させたり、罪の意識から少しでも気持ちを軽くしてあげたり。
 死を恐れるとき、死に直面したとき、死を振り返るとき、声をかけてあげられる仕事というのは、やっぱり坊さんではないですか。
 お医者さんも出てくるが、生を前提とした仕事なのだなと。同じように死の現場に立ち会う職業だと思うけれど、坊さんとは立場が真逆なわけで。

 震災の関連の報道をみると、現地の方が「まだ、復興という気分にはならない」と言われるのを聞く。あるいは、元の生活を取り戻したいという。

 なんか漠然と思ったけど。避難用リュックに、お線香くらい入れておいてもいいのがしれない。

 すごくいい本なのだけど、これくらいしか書けなかった。