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『キツツキと雨』監督:沖田修一

 面白かったですよー。主人公の木こりと、若者の映画撮影を通じたドタバタコメディである。
 ってな事以上は一切事前情報入れずに見たほうが面白いと思います。
 見るつもりの方は是非ネタバレ前に、レンタルやへ。



 木こりの 岸さん(役所広司) の奥さんは亡くなっているようで三回忌。さらに、息子 浩一(高良健吾) がいて中々仕事も続かずふらふらしていている。親子喧嘩して浩一が出て行ったところに、この気弱監督が現れ、ゾンビ映画を年上のスタッフに遠慮しながら撮っている。

 最初は監督が気弱にやってるもんだから、スタッフもやる気が無い。いや実際はスタッフのクリエイター集団は、監督が気弱で自己主張しないからやる気が無いんじゃなくて、映画が面白くなさそうなのでやる気が無かった。岸さんたちの尽力で、面白くなってくると段々やる気が出てくる。クリエイター軍団は少なくとも、面白いかどうかだ、と割り切っている感じがこの映画のクールな感じを出していると思う。

想像力とセンスの前にひれ伏すもの達/映画『風立ちぬ』

 風立ちぬ。ちょいと見てきました。
 ちょうど同じ日に、小林賢太郎の「LENS」というお笑いの舞台作品をみておったのですが、似たようなことを言うんですね。

LENS
「想像力に知識はひれ伏す」
風立ちぬ
「センスは時代をさきがける 技術はそのあとについて来るのだ」

 この言葉が耳に残るというのは、自分の心に何かひっかかるものがあるっつーことだと思いますが。
 30も近くなって、知識の収集バカリに努めていてはいかんなと。宮崎駿は確実に「てめーらもガンバレ」と風立ちぬで言っていると思うわけで。なんか身が引き締まった思いが強く強くした一日でござんした。ロマンを持たねば。

 ほんとに風立ちぬは、ほんと最後に好き放題作りましたっていう感じですね。
 仕事と妻という男の二つの課題をドドーンと正面から扱って、なんか説教されている気すら。いや、説教されたよね。特に、ジブリ映画にしては随分ラブシーンがしっかり書かれていたように思う。雨戸を閉めるシーンに、ワクワクしちゃったよ。
 仕事が産み出す自己矛盾。「男は仕事をしてこそ」。しかしその仕事の成果である飛行機は、一つも帰ってこない。むなしい。

 なんか、モチベーションの源泉として家にDVDでも持っておきたいな。