Monthly Archives: 10月 2009

『納棺夫日記』青木新門

 買ってみた。感動ストーリーが展開される様な話かと思ったら全然違う方向だった
 日々死体を見つめながら、考えたり調べたりしたことを綴ったお話。親鸞の考えを基本としながら、死を、生を見つめた本。
 この本嫌い。

 同じ死に関わる話なら寂聴さんのが好きだなぁ。
 この本では全く救われない。この本の中では宮沢賢治を尊敬する様に、詩を引用し、その一方で、人々が「死から目を背ける姿」を批判している。
 しかし、宮沢賢治は、死と向き合っていたが、その思想(肉を食べなかった、が一例)故に病気に苦しんだという。(wikiには急性肺炎。とかいてあるけど、この本の中では壊血病と書いてある。)

 この本の中では「死から目を背けた人」を批判し、その一方「死から目を背けなかった宮沢賢治」はその思考が原因で死んでしまったという書き方がされている。少なくとも私にはそう読める。
読み方が足りないだけだろうとは思う。しかし、暗い気持ちになったのは真実だ。

 一方で、寂聴さんは尼僧でありながら肉をも食らう。今(80才超)でも大の男好き。
自分もつい最近、死を意識させられる出来事があった。そのおかげで「死と正面から向き合う必要性」はひしひしと感じている。
しかし、この本の様な暗い気持ちで死を考えたくはない。どうせなら、生にすがりながら、欲深く「死」を考えていたいなぁと思う。
 感動して涙流して笑って怒って生きたいじゃないっすか。人に迷惑をかけ、迷惑をかけられ、馬鹿だアホだと罵り合いながらでもいいと思うんだなぁ。いや、というよりやっとそう思える様になってきた。ずいぶん気づくのに時間かかったけど。

あ、ちなみに親鸞はなんとなく好きそうな気がしている。

 一冊読む間に二冊は本が増えている・・・。まずいなぁ。

Winny事件高裁判決

だめだねーNEWS見てないと情報が遅れる遅れる。

壇弁護士の事務室 / Winny事件高裁判決
弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」 / winny開発者に無罪判決(大阪高裁)
ウィニー開発者に逆転無罪 「違法行為勧めていない」 

 当たり前のことを当たり前に言うだけでこんだけ苦労するんだ。世の中ってのはいろんな人達が必死になって作ってきたモノなんだ。
 熱いモノを感じる!
 ここまで作られた社会を、よりよくするために、一生懸命勉強しなきゃ。

会社は誰のために存在するか?

吉永康樹のCFO News – 会社は誰のために存在するか?

 上記リンクより、会社は誰のために存在するか?
 ちょっと腰を据えて考えてみようか。と思った瞬間に答えが出てしまったので、メモ。

会社:
1 会社法に基づいて設立された法人。株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種がある。
2 同じ目的で物事を行う集団。結社。

 ここでいう会社が何を示すものは「1」だろう。営利団体としての会社。
 まずもって、「誰のため」の一番正確な答えは「全ての利害関係者の為」。株主、役員、従業員、債権者、利用者・・・。だと思う。
 しかし、これでは全然答えにならない。リンク先の「国富」というのも答えになっていないと思う。

 誰のため。というのは言い換えれば「誰が一番依存しているか」と言うことにならんだろうか。
 「誰が一番利益を得ているか」とも言える気がするけど、こう書くと金額での絶対的な比較になりかねない。でも、年収1億の人の1000万と、年収200万の人の20万ではどう見ても後者がでかい。これを現すために「依存」と書いてみた。

 では、全ての人が「自分のために」と考えている前提に立った時、誰が一番依存しているのか。
 それは「役員 and 従業員」に違いない。この人達は生活がかかっている。この人達それぞれの人生にとって会社というのは、非常に大きな位置を示しているはず。
 他の株主や債権者、利用者なんかは、会社に生活をかけている人はほとんどいないと思われる。ってかいないだろう。いたら、自分が役員か従業員になって会社助ける。

 したがって、誰のため。と言う議論をすれば「役員 and 従業員」というのが最もわかりやすいと思う。いかがであろう?コメント歓迎。従業員はよい生活をするために、利用者に喜ばれる製品を作ってくるわけです。

 ちなみに、現実には会社を動かす力を持っている人とギャップがあるから、本来会社に一番貢献してくれるであろう「役員 and 従業員」が力を持てず、会社が自滅していくんじゃなかろうか。「役員 and 従業員」が権力を持つのが、最も会社が上手く行く方法だと思うけど、どう思いますか?
 この論理で行けば、無借金で同族企業ならほぼ最強だと思う。んだけど・・・。

 税理士は、会社を守ろうと思う時、従業員や社長さんを守ろうと思って頑張る。株主や債権者を可哀想とは基本的に思わない。

『ノーベル賞の100年』馬場錬成

 ノーベル賞って小さい頃はすっごい賞だと思っていた。しかし、ある程度金銭感覚が身に付いてきて「たった1億ばかししか貰えないの!?」と妙に冷めてしまったもんだ。
 もちろん今では、そこに金じゃないとてつもない価値を見いだすことができる。

 この本の中では、ノーベル賞の根幹とも言える、「自然科学三賞」を受賞してきた科学者を取り上げている。
 「自然科学三賞でたどる科学史」というのが副題だけど、科学史というのは言い過ぎ。科学の世界の全体像がつかめるかと下らぬ欲を抱いたが、アホだった。全部理解したって無理だわな。

湯川秀樹…中間子の存在の予想
朝永振一郎…量子電気力学分野での基礎的研究
江崎玲於奈…半導体におけるトンネル効果の実験的発見
福井謙一…化学反応過程の理論的研究
利根川進…多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明
白川英樹…導電性高分子の発見と発展
野依良治…キラル触媒による不斉合成反応の研究

 この本で触れてあるの日本人はココまで。野依さんは名前が出てくるくらい。
 恥ずかしながら「朝永振一郎・福井謙一・利根川進」このあたりの方々は名前すら怪しい感じでした。しかしながらながら、どの先生も、やっぱり凄い。

 まあ正直この本読むならネットの簡単な技術の概要を読んだ方が楽しいと思うなぁ。できれば論文まで・・・。

就職三年目の悩み

 今日もpodcastを聞きながらお仕事。
 その中で耳に入ってきたのはこんな言葉

自分がやりたいこと
自分に求められること
自分にできること
これが闘い合って若造は困るんだ

小島慶子のキラキラ(結構お勧め)
 今の自分の状況は、全部矛盾しているかな。やりたいことができるほどの実力もないし。求められていることはやりたくないし、多分できないし。

 なんか若造してるよね自分。イイ感じ(笑)
 大人達曰く、人が求める形に自分が合わせていく。それが良いらしい。そうじゃないと上手くいかないようだ。

 個人的には「いい求められ方」をするところにいる必要がある気はしている。
 極端な話「あいつを殺してくれ」って言うところで働くわけにはいかないわけで。(銀行業の皆様大変ご苦労様です。)

 誰かのみにいこー。

藤井財務大臣記者会見の概要(2009-10-7)

藤井財務大臣記者会見より

 話をちょくちょく聞いていて、藤井さんは結構好きになってきた。この人も理想と現実を上手に使い分ける、良い理論家という感じがする。文末の引用は、定期的にある藤井さんの会見。できれば読んでみてください。

 内需というものについてどう考えているか見えてきて「ほぉー」と考えさせられる。
 内需をどうにかといっているのは、雇用、保育、医療、介護、そして環境、このあたりの事を言っている。例えば娯楽やモノの消費はもう考えていないようだ。まじめな日本人だなぁーとも思う。そう言う意味では古いおっちゃんかもね。
 鳩山さんの25%と言う数字は、どうも内需拡大という事も視野に入れてるんだな。
 むしろそれが唯一の目的かも。

省エネ家電等で国内のエネルギー使用量低下

資源輸入減少=輸出依存の解消

 対外的に「輸入を減らす為」なんて絶対に言えないだろうから。
 ワシが言うのも何だけど民主党。案外やるかも。少なくともアニメの輸出よりは未来が見える(笑)

 ポートフォリオ考え直した方がいいなぁ。

(前略)
つまり、輸出中心の経済政策ではなく、内需中心の経済政策というものによって経済を浮揚していく。そして、その内需中心の中に新しい産業も出るわけです。内需中心という中にはもちろん雇用、それから基礎的社会保障に当たる保育とか、あるいは医療の偏在だとか介護だとか、そういうものと加えて環境の問題があるんです。環境というものを私は内需の典型的な一つだと思うんです。こういうものによって環境企業が、日本はそれは非常に進んでいるわけですから、ますますそういうものが進んでいくようにやるというのも直接というか、内需中心の経済の中核の一つだと思うんです。私はそういうものを全部含めて内需中心の経済政策をやる。それがハンドリングだと私は思っています。そして、間違いないと思っています。

名古屋市科学館のプラネタリウム

 名古屋市科学館でプラネタリウムを見てきた。(時間がなかったのであまり他の展示は見れなかった。)

 名古屋市科学館では、おっちゃんが生で星空について語ってくれる。

 最初に機械の説明。プラネタリウムの機械は、1962年11月から稼働しているらしく46年間動き続けている。ほとんど大きな故障もなかったとか。
 しかし、来年の8月には第一線から退いてしまうそうです。科学館は今絶賛改装中で、正確な宇宙を描くため、プラネタリウムはさらに大きい物になるらしい。(現在直径20メートルで、改装後直径38メートルだったかな。)
 今普通に生活していて46年前からずっと現役バリバリで働いている機械なんて、なかなか見ることはない。そういえば、人間が20で就職して定年くらいか。
 この機械を見るだけでも、宇宙のおもしろさが透けて見えてくる。天文学者が世界の科学をリードしていたというのは理解できるなあ。

 更に星の色について語り始めたと思うと、「この色をスペクトルにかけると」なんて話になってくる。ロマンチックなただのプラネタリウムとはひと味もふた味も違う。さすが科学館。
 星の光をスペクトルにかけると、その星の温度、年齢、構成する物質、いろいろな事が解ってくる。それをプラネタリウムの星空をキャパスにして聞く。贅沢だねぇ。

 おっちゃん曰く、名古屋の明るい夜の空は、星空初心者にはもってこいだそうだ。
 この星空で、まずはわかりやすい明るい星を見つける。その上で、綺麗な夜空に行けば星空の海で迷子にならないそうだ。

 今は夏の第三角形と木星が名古屋でもよく見える。

 たった600円。また来よう。絶対行こう。

(自己メモ)
 具体的には、温度が高い星ほどスペクトルのピークが紫外線の方向に寄っていくので、色が青に近くなっていく。温度が低い星はスペクトルのピークが赤色や赤外線のあたりにあったりする。つまり、星の色は温度を表すことになる。
 さらに「星の明るさ」と「表面温度」を軸として星を並べてみると、一つの相関が見られる。一定の間隔で温度が高くなるほど、星の大きさが大きくなる。(軸「星の明るさ」はうろ覚え。検索してみると、絶対的な明るさが来る感じ。)ここから外れる物が、赤色巨星とかになって、末期の星と判別されたりするらしい。

生半可な知識

 試験がとりあえず終わってから、いろんなインプットが山の様にある。そして、人と会う場が山の様にあって、アウトプットが山の様にある。そんな中での一思案。

 雑学みたいなのが頭に増えてくるのは実は厄介かもしれない。
 何か情報が与えられた時(ver.みむら)、

状態1「何も知らない」
 解らないから、聞く。
状態2「きちんと理解している」
 解ってるから、語り合う。
状態3「中途半端に知っている」
 中途半端な知識で適当に話し合う。

 新聞部時代取材に行く時は、「自分が知らないこと」を明確にして行っていた。取材対象の人の研究を理解してから行こうなんてのは思ったことあるわけもなく。
 取材のイメージは、自分の知らないことを聞きまくるイメージ。自分の作ったストーリーにあったコメントを引き出すんだ!みたいなのもたまに聞くけど、そーいうのは絶対面白くない。

 何か新しい情報が入ってきた時に、本当に理解できているのか?理解できていないとしたらなんなのか。そんなことを考えるのが自分には必要かも。

 まあ、雑学自体が害なわけじゃなくて、使い方だな。
 雑学は話を深めるのには十分役に立つし。

まさかとは思うが

たった一人のためにこの記事を。

まさかとは思うが、まさかとは思うが。
妹よ、このブログを見つけてしまったか?

本名で検索してもたどり着けないはずなんだが・・・
もし本当に見つけているなら、まあ落ち着け。
要求はなんだ?

これはまいったなぁ・・・・・。

『お龍』植松三十里

台風18号納まりまった。ちょっと怖かった。

 三十里とかいて、みどりと読むそうです。品揃えの少ないキオスクでしょうがなくかった一冊。
 こーいうのはよかったりするのよ。

 坂本龍馬の奥さんのお話。
 その時代発言力を有していた京都の医者の娘として生まれたお龍。父親は安政の大獄でひったてられる。父親は解放されるも、早々に死んでしまう。お龍は旅館で働くことになる。しかしその旅館は「女遊び」の旅館だったり。
 そんなこんなで、母の紹介で坂本龍馬に出会う。坂本龍馬と日本初ハネムーンにでかけたり、あっちゃこっちゃついてったり、龍馬をひたすら待ってもじもじしてみたり。
 その龍馬も殺される。
 ここから、お龍は破天荒に生きてきたのが裏目となる。自分の意見を持っているお龍はなかなか人に世話になると言うこともできず、借金まみれになっていく。その借金を西村松兵衛という商人が工面してくれ、旦那となる。この旦那さんが「坂本龍馬の妻」としてお龍を立てながら、寄り添って生きていく。

 (時代物ではあるけど一応)ノンフィクションということで、お龍さんが人間っぽくて安心する。感動作とか偉人伝とかそーいうのではなく、本当に一人の女性の一生をおっかけてみましたという。
 人のいない巌流島での日帰り花火のシーンは読んでいて感動する。その巌流島でお龍にピストルを渡す龍馬。この時代の覚悟ってのは半端ねーぜ。

 中途半端で時間が来てしまったけれども。
 人生なんて想像通りいかないもんだろうなぁ。この時代が特殊というわけでもなく。
 この本を読んでいて一番主観になれたのは西村松兵衛。お龍はずーっと坂本龍馬を想っている。そのお龍の借金を返し、立ててよりそったあげく、「坂本龍馬の妻」としてお龍を葬る。
 ほんとうに好きだったんだろうなぁ。

 おっと仕事だ。