Monthly Archives: 4月 2014

『憎念』谷崎潤一郎

 谷崎先生のフェティシズム小説集を読んでいるのでちまちまと。

 私は「憎み」という感情が大好きです。「憎み」ぐらい徹底した、生一本な、気持ちのいい感情はないと思います。人を憎むという事は、人を憎んで憎み通すという事は、ほんとうに愉快なものです。
憎念(フェティシズム小説集)/谷崎潤一郎

 谷崎師匠のこの痛快感はなんでしょうな(笑)
 一緒に入っている「悪魔」という小説。エンディングが半端ない。男子が女子のリコーダー云々という話で、顔をしかめてしまう人が読んだら、間違いなくおう吐する。

「顔」に魅せられた男~特殊メイクアーティスト・辻一弘の挑戦~

「顔」に魅せられた男~特殊メイクアーティスト・辻一弘の挑戦~

0412_04b 特殊メイクアーティストの辻一弘さんのドキュメンタリー録画してみてみた。
 辻さんは京都の錦市場で育ち、小さなコミュニティーで本音と建前を使い分けるオトナたちを目の当たりにし、表情の変化に興味を持ったのだとか。両親が中学生で離婚し、その後にも両親の喧嘩をまのあたりにしていたとか。
 京都の市場育ちといえば、愛する伊藤若冲氏。彼も市場の人間として育ちも、商売にはあまりのめりこめず、店を譲って絵の道に。彼の描く植物は必ず虫食ってるし、鳥も若干あほらしい顔している。
 人の顔色を見て育った気持ちが何となくわかる。とかいうと怒られるな(笑)ただ、観察力がすごいだけじゃなく、観察に意味があるんやなと。
 ところで、こーいうメイクとかに使う血管が、植物の毛とかを使うのだけど、生き物の神秘を感じるなー。血管も毛も植物も進化の中で出来てきて、できは恐ろしいほど似ているような面があったり。
 そうそう、作品中ではアンディー・ウォーホルというアーティストを描く。彼のコンプレックスを最大限に強調していく感じがたまらんわー。
 映画作りはイヤになったらしい(笑)