Category Archives: 会計税法

認定NPO法人と公益社団法人の税制他比較β

2012/10/4作成(業者向け)

 公益社団法人は、一度認証受ければ再度受けなきゃいけないことはないんだよね?
 みなし寄附金も公益社団は「公益目的事業の必要金額」までいけるわけで、かなり自由度が高い。
 税制では断然、認定NPOよりは公益社団かな。
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認定NPO法人と公益社団法人の認定基準比較β

2012/10/4作成(業者向け)
認定NPO法人と公益社団法人の認定基準の比較。いや、左右に並べただけだけど。
認定基準だけなら、公益社団法人が比較的優位だと思うんだ。
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NPO法人云々

 ちょいと、名古屋でNPOに関る会計専門家向けのイベントがあり、参加してきやした。私は新参者で完全にアウェイですが飲み会まで行ってちょいと話もしてきました。
 金を出資してもらって、配当を出すのではなく満足感を与える、という新サービス業ともいうべきNPOの形態ってのは、資本主義で許容できる新しい仕組みの一つだと思っております。
 そんな前提で、せっかくなので思うことをちらほら。

●給料出す気やっぱりない?
 会計制度としては、NPOでも「人件費が必要なんだ!」と社会に認知させることを目指しているのだと思うが。
 現場の人たちの声を聞くと、人件費なんてもらえなくて当然という風潮は、想像よりも遥かに強いようだ。人件費を出せないということは、タダ働きの仕事でしかなくなるわけで。
「やる気がある子がボランティアで働いてくれています!」というのは、自信を持っていうのではなく、申し訳なさそうにしゃべってほしかったなと、率直な印象。

●寄付も実はそんなに期待していない?
 NPOとかは寄付を受け入れる箱として面白いなーと思っていた。
 しかし、会場で配られた資料では(元資料が示せればいいのでけど非公開のようで)、ほとんどが事業からの収入。寄付ってのはほんの少ししかないようだ。クラウドファンディングなんて言葉も、一瞬でたけど、みんなの顔がリアクション薄だったなー。その心はどうなんでしょ。

●生態系
 NPOが生き残る生態系を作らなければならない。という話をされていた。
 しかし、最終的な理想像は見えなかったというのが残念だった。「助成金に頼ってはだめだ。」という問題点から、当然「寄付だ!」となると思っていたけれど、「借入金だ!」という方向になりつつあるような。うーん、それは少々お人よしが過ぎるのではないか。
 いや、それぞれの方々が目の前の課題に取り組んでられるのは、大変に素晴らしいと思います。心から。

●(参考)認定NPOよりも公益法人?
 書籍などを読んでいると、公益法人のほうがメリットも多く、認可を得ることも簡単そうだなあと思っていたけど、実際にも認定NPOは困難が多く、公益法人は比較的楽だとか(噂)。NPO支援の集まりなので、あまりおおっぴらに話せる内容ではなかったけど。

 なんぞかんぞあるけど、もうちょっと真剣に関わってから、きちんと意見を書くべきだわな。まずは、もうちょい関わってみて現状認識してみないと。

なぜ上場株式の譲渡益税の税率は20%に戻すべきなのか

 さて、αブロガーである磯崎さんが、メルマガで
週刊isologue(第170号)上場株式の譲渡益等の税率はなぜ10%がいいのか?
という記事を書かれているので反論したいと思う。
 なお有料メルマガで、上記記事もお金を払わないと読めませんが、大変面白いので購読をお勧めします。
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租税教室その2

 前回の租税教室から約半年。
 二回目の租税教室は、某中学3年生難しい年頃。人数は3クラス約100人。45分。

 いつもながら「租税教室をやれ」と指示が来るだけで、具体的なテーマなどはなし。今回は先生側からも要望はでなかったので、しげしげと自分で考えていきました。

 特に今回は中学3年なので、もう二度と税金の勉強はしないだろうなあと考え、今回ウンウン考えた結果次の2点をメインにすえることに決定。
「税理士について」
・職業選択としての税理士
・税金に困ったときの相談先としての税理士
(他士業との比較)
(仕事内容の説明)

「申告納税制度(所得税)」
・確定申告は自分で自発的にやる必要があること(菊池直子の懸賞金をもらったら?)
・いくら稼いだら確定申告が必要か(38万円か380万円か)
(税理士の説明と共に説明)
(クイズ形式で何問か)

 45分しかない中、後述のアニメで20分費やしたので、上記を25分で説明。
 さらに「借金(公債)が増えていることも説明しろ」とのことでしたので、5分程度費やし、正味20分。いやはや。
(個人的には税理士が財政の事を専門家ぶって学生に話すなんて、全くの専門外でやってはならないことではないかとさえ思いますが。実際、国の決算見ても、勉強しなければならないことが多すぎるわけで。まあ、それでも、税の専門家というよりは、「貸借対照表を読める」という意味であれば教師よりも税理士がやる事に意味もあるとは思います)

 そのアニメというのは国税製作のもの。中学生向けには、アナザーワールドというのを使のですが、江守徹の声で「喪黒福造(笑ゥせぇるすまん)」みたいなのがでてきて「税金をなくしてあげましょう!ドーン」と、税金の無い世界を描いていくわけです。
 普通に考えれば、税金が無くなれば(国の機能が失われれば)、地域のコミュニティが立ち上がって代わりの機能を果たすでしょうしし、ある程度は民間企業が国のサービスを肩代わりするでしょう。重要なのは年金や医療、外交、防衛の話になると思うのです。
 が、描かれているのは、火事で消防署に電話したら「すぐ消すコースですか?ゆっくりコースですか?」と聞いてくるようなアホ設定。消防署は民間になっているのに、道路は誰も整備せず穴ぼこだらけ。
 いや。正直申しまして、当初はアニメは流さないプランだったのですが「45分飽きさせずに出来るのか?」という形で詰め寄られまして、弱気になって受け入れてしまったというのが本音です。はい。情けない。次があるなら流さない。

 さて、今回やるにあたって、前回の自分がやった租税教室の映像が残っていたので見たところ
・手や体が無駄に動きまくっている
・目が生徒を見ていない(見ていたつもりだった)
・声が小さい(大きいつもりだった)
これは、内容がどうあろうと生徒も聞く気無くすわと随分凹んでみたり。

 これを反省して、今回は行動的には動きを抑え、とにかく生徒を見ることに集中することに。
 今回はビデオもとっておらんので、確認のしようはありませんが、まましっかり前回よりは聞いてくれていたと思う。

 特に

所得税(菊池直子を見つけた懸賞金に掛かる税金)は誰が計算するか?
1.納税者
2.税務署

という質問に、大量に「税務署」で手が挙がるのは楽しかった。
 間違えた大量の生徒は「申告納税制度」存在を、少しは感じてくれたんじゃないかな。

 最後の質問では「税理士って年収いくらですか?」という非常に健全で、しかも伝えたかったことど真ん中な質問がきて「税理士という仕事」について興味がわいてもらえたような気もする。

 結果的に二つの目的は、なんとなく薄っぺらではあろうが伝わったような気はする。
 私の授業を聞いた100人は聞いていない大多数の中学生よりも、人生を税金で台無しにする可能性がほんの少しでも小さくなったんじゃないか。であれば、やったかいがあったかなと。

非営利法人の税制等比較(一般社団法人、NPO法人、株式会社)

 非営利活動をしようと思うなら、組織選択についていくつかの選択肢がある。
 規模が小さいうちは不要かもしれないが
・寄付や助成金の増加
・資産の保有
・利益が出た

等ということになってくると、法人化が必要な場合もでてくると思う。
 しかしながら、様々な制度改革があり、法人の選択肢も増えた。また制度も複雑になってきているのでまとめてみたい。想定は、特に組織も財産も持ち合わせていない個人が何人か集まって非営利活動をしている。というイメージ。

 この前提で選択肢にあがるのは次の法人形態かなと思う。これらについてまとめてみる。
(なおNPO法については、平成24年1月1日施行分も反映させているつもりです。リンクには根拠法などへのリンクが入れてあります。)

 他にも、一般財団法人、持分会社、社会福祉法人等の様々な可能性がある。
 この中でも、認定NPO法人はNPO法人からの出世法人公益社団法人は一般社団法人からの出世法人で、まずは、稚魚であるNPO法人なり、一般社団法人からのスタートとなります。ですので、この記事ではまずは、一般社団法人、NPO法人そして株式会社ついて簡単に説明して、認定NPO法人や公益社団法人は、次回にしたいと思います。

 で、現れる次の表です。(この表がほしくて作った記事のようなものです。似たような表はあるのですが、一般社団が分けられていなかったり、税制上の比較が無かったり。ってなことで。)

一般社団法人 NPO法人 株式会社
税分類 右以外 共益 非営利徹底    
根拠法 一般法人法 NPO法 会社法
設立手続 登記 認証+登記 登記
主たる目的 制限なし 共益目的 制限なし 公益限定20分野 制限なし
所轄+監督 なし 都道府県等 なし
設立にかかる期間 最短1日 約4ヶ月 最短1日
報告 なし 年1回 なし
法定設立費用
・定款認証
登録免許税
 
・5万円
・6万円
 
・0万円
・0万円
 
・5万円
・15万円
設立時
最低人員構成
社員2名
理事1名
社員2名
理事3名
社員10名
理事3名
監事1名
株主1名
取締役1名
剰余金の分配 原則不可 不可 不可 株主へ
残余財産の分配 定めなし 公益法人等 公益法人等へ 株主へ
法人税 全所得課税 収益事業課税 収益事業課税 全所得課税
消費税:
国等の特例
 
あり
 
あり
 
なし
みなし譲渡非課税 後日

名前

 宇多田林檎という名前の法人を作るとすると
一般社団法人 宇多田林檎
特定非営利活動法人 宇多田林檎
株式会社 宇多田林檎

 などという名前になります。この付く名前によって、全く様相が変わってきてしまう。

どれを選ぶ?

 ごちゃごちゃ書いていますが、正直上記表を眺める以前の問題として、NPO法人については4万社を軽く超え社会的な認知や信用も積みあがってきており、借入や補助金については一般社団等よりも有利かもしれません。
 例えば「NPO法人 助成金」と検索すると、大量に助成金情報がでてくる。借入についても少しずつですが融資実績が積みあがっているようです。

日本政策金融公庫(略称:日本公庫)国民生活事業の平成23 年度NPO法人向け融資実績は、532 件(前年度比138.5%)、38 億円(前年度比139.2%)となり、件数・金額ともに5期連続の増加となりました。
日本公庫のNPO法人向け融資実績 5期連続増加(日本政策金融公庫ニュースリリース)

 ただし、NPO法人は信用の裏返しとして縛りも大変きつい。「公益目的」であることが求められ、これは、構成員の利益のみになるような活動(共益的)な活動ではだめということであったりします。また、事業報告を求められる等、色々と制約があり、手間がかかる。
 助成金等の助けをそこまで必要としないのであれば、柔軟な対応が出来るという意味で一般社団法人の選択もありなのではないかと。
 また、通常の借入等はおそらく株式会社が有利であり、収益が求められるような事業を行うのであれば、株式会社もありなのだと思います。

 以下表の中身について少し説明すると
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保険を買う時に気を付けること

 周りに結婚や出産が増えて参りました。それぞれに扶養する相手ができ、自分にもしものことがあったら。そんな事も考えねばならんわけで。母子家庭なんて金銭面はほんと大変なわけで。お客さん(会社)の従業員さんの結構過酷な話なんかも聞かせてもらいます。行政なんてほんとアテにならない。
 最初新卒で入れば初任給月20万強から着々と上がっていき、5~6年で月30万くらいいっちゃってる人もいるかも。しかし、一度辞めたりすれば、一気に下がって18万とかそれ以下とか。あるいは時給でパート。それで子供まで育てるんだから大変なことです。

 そう言う時に助けになる保険というのはやっぱりありがたい制度です。
 ただ、この保険どーも入りすぎている人がいる。リスクを取るために入ってるのに、リスクが増えている人がいる。真剣に気になっています。一応ここ数ヶ月保険の資格等もとり、研修などにもでかけています。ただし契約までやった実務経験はほとんどありません。
 その代わり全体の支出の中で、収入の中で保険がどういう位置づけなのかというのはたかが数年されど数年。見てきています。ちったー役に立てるかなと。
 知人が読んでいることを期待して、この文章を書きます。
「保険は家の次に大きな買い物です」ってのは保険マンが良く言う言葉ですね。しっかり考えて見ましょう。

 私が保険の役割を分けるなら2つに分けます。
・保障
・資産運用(節税)
この2つは別個にして考えるべきです。

 言いたいことから書くために2つめの「資産運用(節税)」から書いてみます。学資保険や養老保険、外貨建てなんちゃら、なんて言うものが多いでしょうか。積立の保険と言った方がわかりやすのかも知れません。
 資産運用系の保険は「満期時には払い込んだ金額よりも大きな金額が戻ってきます!」とかいう言葉で勧誘されます。今だと外貨建てで利率もいいでっせ!なんて言う言葉が付け加わるでしょう。外貨でリスク分散です!みたいなのも常套句です(私も研修で練習させられましたハイ)。外貨だと年利3~4%の数字を提示されるんじゃないかな。
 これは保険会社に任せてお金を運用すると言うことです。ちなみに、保障がサービスで付いてくるなんてことは当然なく、掛け捨て分の料金がきちんと上乗せされています。計算すると実にぴったり。
 資産運用となると、「銀行預金」「投資信託」「外貨預金」「株式」等色々な選択肢があるわけですが、保険会社に任せることにメリットはあるのか、当然他の商品との比較検討が必要です。商品の比較検討さえ嫌なのなら資産運用なんてやるべきではありません。掛け捨て保険にして、残りを貯金しましょう。

 で、保険会社に運用を任せると利率は他に比べると良かったりします。下手な定期普通預金よりは確実に利率がいいでしょう。その利率の反面、大きな落とし穴が存在しており、それが「中途解約」です。即ち満期前に解約すると大変大きな痛手を被る可能性があるのです。
 銀行の普通預金に100万円を10年満期で預ければ101万円くらいにはなってくる。5年で解約しても100万円は下回らないでしょう。
 しかし、保険会社に100万円預けて10年立てば110万円くらいになってるかもしれない。しかし、5年で解約すると95万円だったり90万円だったり。商品によってはもっと悲惨な金額(70万や60万ってことも!)だったりするわけです。
 なぜ、保険に入ろうとしているのか。それは普通「もしも」の時に備えるためです。十分な貯蓄が無いから保険に入ろうとしているはずです。保険でカバーされる「もしも」は限定されています。例えば死亡保険に勤め先の倒産は勿論含まれない。(上手いこと自殺してくれれば別でしょうが。)保険に入って5年後勤め先が倒産した時、保険会社からお金を引き出そうとすると、資産運用したお金はほぼ確実に元本割れするわけです。高々数%の利息を取るために、大きな損失のリスクを負うわけです。
 そして、実際の事業会社の経営者がこれで随分苦しめられているのです。「10年後に同じ額帰ってきますから」と言われて、何らかの資金が必要になって5年後に解約。多額の損失を被る。保険に入ったために新しくできたリスクです。
 友人の家で高価な壺割ることだってあるかも知れない。

 余談ですが資産運用の保険は、相続税の節税対策としては非常に優れています。
 相続税は「死んだ時」の財産の金額等を元に計算するのですが。
 保険を使えば、100万円預けた瞬間に、貰えるお金が80万円になったりします。その80万円しか解約返戻金が貰えない内に相続が起きれば財産が目減りして少し節税ができたりします。そして10年後相続人が100万円貰えればしめたモノです。
 なおこういう人は途中で解約する必要はまったくないほどの金を持っています。

 「満期時には払い込んだ金額よりも大きな金額が戻ってきます!」こんな言葉を保険屋さんにかけられたら、穴が空くほど解約返戻金を眺めてください。そして頭に地震雷火事親父ありとあらゆるリスクを想定して、中途解約は絶対にないか。他に貯金はあるか。よくよく考えるべきです。自分だけでない、親族に急用の金が必要なこともあるかもしれませんね。
 さらに、保険会社の倒産というリスクも十分あります。普通預金はご存じのように1000万円守られますが。数年前の保険会社が潰れた例では保険金や解約返戻金が1~3割くらいカットされていました。一般的に銀行よりも保険会社の方が潰れやすい、潰しやすいと言われますね。
 掛け捨てなら保険会社の倒産は大したリスクじゃないですが。

次に「保障」についてですが
 一番考えるべき点は、その保険でカバーされる以外のリスクを山ほど負っていることです。保険料払ってその保険事故が起きればいいですが、他の事故が起きれば、その保険料分リスクに対応できなくなるわけです。
 もちろん大きなリスクに備えて保険にはきちんと入るべきです。しかしすなわち自分の身の丈に合った高すぎない保険に入るべきでしょう。まあおもいっきり賭けてギャンブルにいそしむのもいいですが。
 今放射能を畏れて福島市から避難している人は余分な保険料分が貯蓄になっていただけで随分助かったことでしょうね。

 どうしても、「恐怖」を言われると、過剰に対策をしたくなってしまします。しかしそれ自体が気付かぬ内に新たなリスクを呼び起こしていることがあるわけです。ちょいとコンなことを頭の片隅においといてほしいなあと切に願うところです。
 たった2500文字程度の事ですが、この程度の事で苦しんでいる人が結構沢山います。ってかこの仕事始めるまでこんなこと知りませんでした。私の同期は20代後半。これから保険に入るところでしょう。既に入っているかも知れません。しっかり自分のリスクと向き合って欲しいなと思います。
 泣きっ面に蜂。なんて言葉を聞きたくないよ。

本『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』磯崎哲也


 この本の対象となる「ベンチャー企業」という言葉について以下の定義が与えられている

単に「自分で経営者として事業を行っている」だけでなく、「今までに比べてコストが何分の1にもなるサービス」とか、「今までになかったニーズの新製品」を売るなど、「イノベーション」を思考する企業

 この本は「(ハイリスク)ハイリターンを志向する会社」を想定している。例えば副業で「不動産を買って不動産賃貸業を始めよう!」みたいなのは対象ではない。

 さすが有名ブロガーが書く文章で、とても読みやすい。人生一回くらい「ガツンとやってみたい」と思う人は是非に。
 あと、実は税理士を中心とした不勉強な専門家に向けて書いているんではないかと思う。多くの税理士は株式で資金調達なぞ意識したことがないんじゃないだろうか。税理士の研修会が色々あるけれど、そんな研修会少なくとも名古屋ではまだ見たことがない。(銀行対策は山ほどある)
 起業する人は自己防衛として。税理士は専門家として。知っておくべきと思う。(もちろん税理士はこの程度で満足しちゃいかんね(><))

序章 なぜ今「ベンチャー」なのか
第1章 ベンチャーファイナンスの全体像
第2章 会社の始め方
第3章 事業計画の作り方
第4章 企業価値とは何か
第5章 ストックオプションを活用する
第6章 資本政策の作り方
第7章 投資契約と投資家との交渉
第8章 種類株式のすすめ

以下には自分なりの主要ポイントだと思った点まとめ
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権利確定主義と会計上の収益

税法と会計の話

主に
収益計上基準としての権利確定主義 : 判例を中心として 福島 千幸
●TACの教科書
を元にして

●●●●会計上の収益
 会計で収益を認識しようとすると
「実現主義の原則」(企業会計原則){古くさい概念}
「資産増加負債減少に見合う額のうち、投資のリスクから解放された部分」(概念フレームワーク){青臭い概念}
 という考え方がある。

 具体的には、実現主義の原則によれば
「財貨・役務の引渡し・役務の対価としての貨幣性資産の受領」(狭義)+(一部発生主義)+(一部現金基準)
「収益の確実性OK・金額の客観性OK」(広義)
 概念フレームワークによれば
「事業のリスクの拘束されない独自の資産を獲得したとみなすことができる事実」(事業投資)
「事業の目的に拘束されず、保有資産の値上りを期待した金融投資に生じる価値の変動事実」(金融投資)

●●●●権利確定主義
 一方税法では「権利確定主義」によっている。はずなんだが・・・。
 とりあえず、法人税は全くそんなことを表現した条文や通達はない。だもんで基本は法人税は会計と考えを同じくしていいのではないか。そこに税法ならではの事情を盛り込んでいる。

 法人税では、以下のように22条4項にて、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるということで、会計に準ずる事を言っている。(ただし、特別利益に計上されるような事については、触れていないように見える)

法人税法第二十二条  内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2  内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3  (損金の規定につき省略)
4  第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5  第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引及び法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項 (中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)をいう。

 で所得税においては、国税にこんなページがある

No.2200 収入金額とその計算
その年において収入すべき金額とは、年末までに現実に金銭等を受領していなくとも、「収入すべき権利の確定した金額」のことです。したがって、実際に金銭等を受領したか否か、また、代金を請求したか否かは関係がありません。

 これはどうもかつての通達に書かれていた内容らしい。このあたり方権利確定主義という言葉がでてきたとか。

 所得税はやりたいほうだい。

所得税法第三十六条  その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
2  前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。
3 (無記名公社債省略)
(所得税基本通達[収入金額]のへんも面白い)

●●●●権利確定主義とはなんぞや
 法人税では問題は少ない・・・ん?上記の論文を読んでいると、そうでもない・・・。

不動産が商品として売買された場合については、これに伴い所有権移転登記または引き渡しのいずれかがされた時に販売が実現したものとして
東京地裁昭和46年5月12日

 法人税の現行の通達では

2-1-2 2-1-1の場合において、棚卸資産の引渡しの日がいつであるかについては、例えば出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。この場合において、当該棚卸資産が土地又は土地の上に存する権利であり、その引渡しの日がいつであるかが明らかでないときは、次に掲げる日のうちいずれか早い日にその引渡しがあったものとすることができる。(昭55年直法2-8「六」により追加)
(1) 代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日
(2) 所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日

 となっているので、権利確定主義というのは(2)なんでしょう。どっちでもええよ。ってな事か。(こーいう適当なところが、法律のいいところであり悪い所なんだろうねぇ)

 留意しなきゃいけないのは、税務署は引き渡しとか以前に「契約」がかわされて、権利が確定した時点でいちゃもんを付けてくる可能性がある。ってなことでしょうかね。

 中途半端ですが、つづきを書くかも解らないので、公開して力尽きます。