11枚目シングル 「SAKURAドロップス/Letters」(2002/5/9)2曲目
3枚目アルバム「DEEP RIVER」(2002/6/19)5曲目
「宇多田ヒカルのうた 13組の音楽家による13の解釈について」で椎名林檎がカバー。
たぶんかなり人気のある曲。
置き手紙 ~Letters~/銀花帳
↑こちらなんかは、過去の発言なんかからLettersのことを書いていて、より参考になる(なんのだ)。
letter は名詞で
・手紙、書状
・文字、字、活字、字体
・文学、知識、学識、学問
(a man of letters で作家とか文学者の意味らしい)
という意味だとか。
たくさんの置手紙かなと思うけど。一通の手紙に書いてある複数の文字、を意味していると思うと、なんか手紙への愛おしさが半端ねえ感じになりますな。
はじまりはアコギで
暖かい砂の上を歩き出すよ…
さみしい曲だけど、マラカス的なシャカシャカ音に、ポコポコ南国風の太鼓音が鳴っていて。
ここに、暖かい砂の上を歩くという始めの一節で、なんか生活のゆとりは非常に感じる。
林檎先生のバージョンでは、ピアノ中心に低めの音でしっとりしているけど、やはりマラカスは欠かさずに。
宇多田バージョンが朝の浜辺なら、林檎バージョンは夜の浜辺だろう。
手紙って好きだし、手紙を主題とした曲も好き。
手紙が内包する、片思いとか、物理的な距離と心理的な距離の差とか、そーいうのが面白いんだろうね。
最初に好きになった小説「錦繍」(宮本輝)も、手紙のやりとりだけだったな。
でも、この曲は置手紙。家族か恋人くらいしか、置手紙なんてないだろう。とても近しい人とのやり取りなんだろう。
南国で、置手紙を見て、寂しさを歌う。
もうこれだけで、この曲は完璧だと思うワナ。
驚くほど「ああ」「あー」言う(笑)歌詞カード的には18回。
「ああ 両手に空を 胸に嵐を」言ってる人は完全に演劇だ。
宇多田には名曲「BLUE」という曲があり、悲しみを歌いながら、
ふと我に返って「ブルーになってみただけ」と歌うけど。
Lettersの主人公氏も、悲劇のヒロインぶってみているのだろうという気がする。
今日選んだアミダくじの線が
どこに続くかは分からない
怠け者な私が毎日働く理由
このフレーズがめちゃんこ好き。
驚くほど現実を生きようという気持ちが入るところが
こーいう(あえて)女々しい曲でも、
カッコよさを感じたり、甘えきってない強さによって、
安心して共感できる。
歌詞の
一番では「海辺」に置手紙
海辺に置手紙というのはさすがに比喩だろうね。外国、異世界、へと、仕事とかかな。
いってくるという置手紙だろうか。
二番では「窓辺」に置手紙
悲しい知らせの届かない海辺から。悲しい知らせの届く家に入っちゃったかな。
家と外との境目はなんだろう。家から出ていく。これは、それこそ離婚とか死を連想させるね。
「必ず還るよ」じゃなくてよかった(ヲイ)
Tell me that you’ll never ever leave me
Then you go ahead and leave me
What the hell is going on
Tell me that you really really love me
Then you go ahead and leave me
How the hell do I go on…
最後の英語フレーズ。
英語は本音をストレートに書いてしまうんだろうなー。
これはどう訳すんだろう。以下は気分訳。
Tell me that you’ll never ever leave me
決して私を置いていかないといって…
Then you go ahead and leave me
しかし、あなたは行ってしまう。私を置いて
(then をしかしでいいのか?)
What the hell is going on
もうどうなったていいさ。
Tell me that you really really love me
私のことを本当に本当に愛しているといって…
Then you go ahead and leave me
しかし、あなたは行ってしまう。私を置いて
How the hell do I go on..
どうやっていけばいいのさ
最後のフレーズを言い終わるかどうかで、この曲はフェードアウトしていく。
相手はそこにいないのだから、この叫びは届かない。いや、届かないからこそ叫べるのだろうけど。
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