何はともあれ、榊原紫峰(1887年8月8日 – 1971年1月7日)という画家の「青梅」っちゅう作品を見ていただきたい。
鳥取の足立美術館というところに、行ったわけなのですが、まーとにかく榊原紫峰という方の作品が素晴らしかった。
このちっこい画像ではとても伝わらないけれども、幹がすっごいしっかり書かれている。血管の浮き出た様はマンガでも、写真でも、絵であっても、異様なエネルギーを感じるもんだけど、植物はソコかと。でもって幹によく付いているコケや、病気のような後、育ってきた過程が目に見える傷なんかも非常に緻密。葉っぱに隠れて日が当たらない葉っぱなんかも!
会社で行ったツアー旅行だったので、あまり時間はとれなかったけれど、榊原紫峰に張り付いていた。
美術館でふと耳に入って驚いたのだけど、この「青梅」という作品は40歳前に書かれた作品。このほかにも20代前半の作品が数多く収蔵されており、若いころの作品でもびっくりするほど植物が克明に書かれている。鳥なんかも多いけど、年をとるほど正確に、美しくなっていく。ちなみに、うっとおしいほどの幹表現は、だんだん落ち着いてくる(笑)
また、この榊原紫峰は京都生まれの戦前戦中戦後を生きた人でもあるわけで。本やらなんやら見ていると、文展やらの派閥争い(?)に巻き込まれた一人でもあるようで。年齢やら時代やら、そんなところも読み解けたら面白いだろうなあとも。
また、お気に入りの作家を見つけてしまった。
これならいつでも見に行きたい。誰かまた一緒に行きましょうぞ。実家が近いので宿は無料だぜ(笑)
自分の話だけれども、私は若冲にしても、宇多田にしても、ごちゃごちゃしたものがすきなんだなあと思う。そしてできれば、ごちゃごちゃの全てを理解したい。いやアホなので無理だけど。
色々なものの関係性の中で「何か」は一時的に存在するのであって、どれが主役ともなく、全ての中で全てが美しい。そーいう絵を書く人が好きだなと思ってみていた。葉っぱは虫が食われていて初めて落ち着くし。欠点こそがモノの美しさに違いない。そぎ落とした美しさはまだ理解できないのかもしれない。
憧れじゃなく愛なんだよなあ。
Beautiful World っつうのは、Love Psychedelico の新曲から拝借させていただきやした。
もっと美しきこの世界を楽しもうじゃないですか。
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