宇多田ヒカルの「アーティスト活動」休止について

ヒッキーのファンじゃない人も、メディアでしか活動休止を知らない人は、是非原文を読んでみてください。「ほへー」くらいは思うんじゃないかなあ。

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2010年8月9日
久しぶりの大事なお知らせ @ Message from Utada Hikaru / Utada

 しばらくヒッキーは「人間活動」に専念するため「アーティスト活動」を休止するそうです。
 恐らく、表現者として人前に現れることは当分無くなるんだろうと思います。(年内は出るらしい)

 なんつーか、妙に寂しい気がしていました。でもヒッキーのその行動自体も私にとっては表現であり、彼女の行動をそのまま受け止めたいなあと思うのでした。
 要約は以上です(笑)以下、あまり人に見せて面白い文章ではないですが、結構大きな気持ちの動きがあったので記しておこうかなと思います。
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小説『氷点』三浦綾子

高校生の頃に読んだ三浦綾子の「氷点」のなかに、「包帯を巻いてあげられないのなら、その人の傷に触れてはいけない」というとても印象的な台詞がありましたが、鳩山氏はそれを平気でやっている。

 という、石破茂氏(自民、元防衛大臣)の発言を元に、ちょっとした議論をしていた。
前後関係が分かる原文はこちら⇒石破茂オフィシャルブログ「自民党の責任」
 で、どうしても真意がつかめないので、「氷点」を読んでみることにした。
 内容はざくっと以下のとおり


 えらいものを手にとってしまった。

 辻口病院院長啓造の目線を中心として書かれた作品。
 啓造の妻夏枝が病院の医師村井から口説かれている間に、娘のルリ子が佐石という男に殺される。佐石は牢獄で自殺し、啓造は娘が殺されている最中に妻と村井と会っていたことに憎悪を抱き、やがて娘が殺されたことを一緒くたにして、怒りをぶつける相手を夏枝としてしまう。
 それから49日が経とうかという時、その犯人佐石の娘が、知人の病院にいると言うことを知る。同じ頃、避妊手術を受けていた妻が「娘が欲しい、どこかで可愛い女の子を引き取ってきてくれないか」と提案をする。そこで、啓造は、妻にはだまって犯人の子を育てさせ、後で暴露して妻を徹底的に苦しめてやろう、と考え犯人の子を引き取る。
 妻は女の子を引取り、母性愛全開で娘を育て始める。啓造は、男にはわかり得ない妻の母性愛に恐怖心を抱き、かつ、犯人の子という事実に思い悩みながら、物語は進んでいく。

 ここまで読んだ。この小説はすごいわ。こんだけ読んだだけでもしんどいと思うけど、中身は一人一人の描写なんかも、犯人佐石の経歴とかいいね、しっかりしていてかなり面白い。
 やっぱり人は醜い部分こそが美しいし、人間らしいところだ。そこに目をつぶっちゃー面白くないな。
 結構読みやすいので、6~8時間くらいあれば上下巻読めるんじゃないかな。時間を取って読むと、非常に色んな事を考えさせられて良い。
 ってかこれを高校生の時に読んだ石破さんってのは、やっぱりすごい政治家だわ。この考えを持ちながら防衛大臣をできるってのは脅威のバランス感覚だ。

書籍『インパラの朝』中村安希

 ユーラシア大陸からアフリカ大陸まで2年で旅行した女性の話。

安希のレポート←本人さんのブログらしい。
この惑星-中村安希さんインタビュー←こんなんもあった

 米国のしかも大都会シカゴに数日滞在しただけの自分には想像もできないような世界を、この本により体験中。
 ちなみに著者は及川光博似の女性。寧ろ本人でも驚かない。かっこよい。本の中で「殴られた」とかいう描写が出てくると、思わず表紙を凝視してしまう。かっくよすぎです。
 本の中では、旅で出会う一人一人の顔が目に浮かぶ。ホモのおっちゃんや貧乏な人金持ちの欧米人。全体的に、テーマを捉えて読むよりは、一つの事実、というか自分で旅をしている気分で読む本だと思う。書き方もそうなっている。この記事を公開はするけど、以下読まずに、この本を読んで欲しいな。貸して欲しい人は言って頂戴。よろこんで。
 以下ここまで読んで心打たれた場面を。

ザンビア

 彼女がザンビアに入国し、写真を撮っていると「アフリカの貧しい姿を写した写真を撮って、帰って雑誌にでも載せるんだろう?」みたいないちゃモンを通行人につけられる。その人に対して彼女はこんな反論をする

「貧しい?あなたは身なりもちゃんとしていて、ご飯も普通に食べていて、それでもあなたは貧しいの?私はそうは思わない。私が知っている貧しい人は、ここではなくて道ばたにいる。今にも死にそうな人たちが、世界各地の道ばたで物乞いをして生きている。もしも私が貧しい人や寄付金を探しているのなら、クリスやあなたに会う前に、もっと別のインドやラオスや東京の公園へ直行するわ。住む家もご飯も家族もいない文字通り貧しい人たちを高架下に訪ねていって、日本で写真を撮らせてもらう。本当に貧しい人たちを」

 まずもって、日本人女性にこれだけ言われた通行人はちょっと可哀想だ(笑)
 彼女はここに来るまで、イラン、インド、パキスタン、イスラエル、ウガンダいろんな所を通ってきている。その彼女の中の貧困リストに、東京が堂々と上位に位置している。この事は結構衝撃だった。彼女曰く貧困は都市にあるそうだ。地域に行けばとりあえずはみんなご飯は食べていける。
 「多少の不便や空腹や病気の脅威があったとしても、子ども達はウガンダで『とても楽しげ』な一面を持ち、どうにか元気に生きてきた(P159)」。ウガンダの貧しい子どもがこういう状況の中、日本のホームレスはコンビニのゴミ箱を漁っている。
 どっちがどうといえるわけでは無いとしても、少なくとも日本人がテレビで貧しい外国人を見て「貧しくて可哀想だ」なんて言っている足元で、それと同等に酷い貧困がこの国にもある。

イラン

 イランで民間の人に手厚い施しを受け、「どこに凶悪なイランはあるのか?」という話をしていたときの会話

「もちろん、イラン国内にも宗教的な過激派や保守的な人もいるけれど、僕たち一般の大多数は、あまり宗教の束縛のない自由な社会を望んでいる。僕らの最大の関心事は、宗教より経済だ。普通の人が心配するのは、自分の学歴や仕事のことや、安定した生活を手に入れて、どうやって維持していくかということ(P106)」

 どうだろう。全然日本人と同じような事を言っているように見える。
 こーいった気持ちはニュースでは知り得ない。実際に体験するか、ながーい文章の中でそろっと入っているもんだ。ちなみに文章を読んでいるとアフリカ人は日本人とは思想が結構違う気がする(笑)

余談

フランスで働いたというブルキナファソ(西アフリカの国)の人曰く

「ヨーロッパでの生活は、とても苦しく貧しかったよ。フランスで生きていくためにはね、働かなくてはいけないんだと。毎日何時間も働いたって、生活費や家賃を支払うと、後には何も残らないんだ。友人や家族とリラックスして楽しむ時間も少なかった。だからね、僕にはこっちの生活がいい。ここではみんながのんびりしている。例えば仕事をしなくても、食事は毎日食べられるし、太陽の下でビールを飲んで、ゆったりと暮らしていけるんだ」

 といって、地元西アフリカへ戻ってきたそうだ。
 つい先日「シッコ」というマイケルムーアの映画で「フランスは労働時間も短くプライベートを大事にできる国だ!」みたいなすり込みを受けた直後である。悩ましい。「西アフリカ<フランス<日本」だとしたら、日本ってどんだけ。
 別に日本人が西アフリカの思想を取り入れる必要もないと思うけど、少なくとも先進国の人間が現地に行って「可哀想だ」と思うのは見当違いな事が相当にあるんだろうと思わせられる。
 あと、ついでに言えばベーシックインカムみたいなものがブルキナファソでは既に完成しているともいえるのではないか。

さてさて

 文章はあと50ページ。どんなことが書いてあるのだろうか。
 ちなみに全体的に男性としては女性に申し訳ない気分になるような内容でした。女性はすげーぞ。世界どこに行っても男が夢や名誉を求めふらついている横で女性が家事子育てをまじめにコツコツやっているのだ。頑張れ男。

小説『ハゴロモ』よしもとばなな

 仕事でもプラーべートでも最近はストレスが多い。そのストレスのほとんどは最も辛い「自分に対する失望」。最初は他人に対しての違和感から入るのだけど、結局他人は他人なので考えていけば「自分がしゃっきりせんからだ」となってしまう。
 そんな事が続くと、フッときれたように小説を無性に読みたくなる。気持ちの良い結論があるようなミステリー小説ではなく、何気ない日常を少し切り取ったような、何気ない小説。
 その何気ない小説を、何気なく書いてくれるのが、よしもとばなな氏であると思う。この人の何気なさは半端無い。

 その町には大きな川が中心を流れ、それがいくつにも限りなく枝分かれし、蜘蛛の巣のようにめぐっている。
 そんな実家の町に、主人公のほたるちゃんが、東京での8年間の愛人生活を終え帰ってくる。町に帰ると交差点でふと見覚えのある男の人を見つける。赤いダウンジャケットを着た男。あとで祖母にきいてみると、祖母もどっかで見たことがあるという。
 その謎の関係のまま、男とほたるちゃんとは出会い、二人の絡みを中心に話が進んでいく。

コーヒーとチーズケーキが美味い喫茶店を営む祖母。
保育園開業のためにセコセコ働く占い師の娘のるみちゃん。
バス事故を予感はしたのだけど夫をとめられなかった、その悲しみと戦う女性。
その母親の世話を見る赤いダウンジャケットを着た男。

 これらの人が、よしもとばなな氏ならではの、詳細な背景設定ででてくる。ぞくぞくするのです。

 自分の好きな場面にこんなところがある。保育園の子どもが他の事をほっぽらかしてまで一生懸命育てた鳥を、近所のホームレスが食べてしまう。その時、先生であるるみちゃん園児に言った言葉をほたるちゃんに伝える。
「あのおじさんは君と見ている世界が違うから、自分の世界を大切にして、なんど壊れても作り直してね、って言うしかできなかった。」

 他にも宝の地図や、幽霊やいろいろなほっこりするような物が出てくる小説。二時間もあれば読める良い本です。少し疲れたならこっちへ来て少し休みませんか。

『スポーツ』東京事変

音楽を語れる立場じゃないけど感動したんだから語らせてクレイ

2/24発売 『スポーツ』東京事変
1  生きる
2  電波通信
3  シーズンサヨナラ
4  勝ち戦
5  FOUL
6  雨天決行
7  能動的三分間
8  絶体絶命
9  FAIR
10 乗り気
11 スイートスポット
12 閃光少女
13 極まる
以上13曲

バンクーバー五輪に間に合わせての発売。
タイトルだけ見ても、スポーツの臨場感に重ねて曲を作っている事が解る。
実際に聞いても、上手いことスポーツとリンクさせていて心地よい。

いつもながら歌詞カードもとても上手くデザインされている
というか、配置まで考えて歌詞(文字数等)を作っているとしか思えない
この人達はアルバムを買うと、何倍も楽しさが広がる
ジャケットや歌詞カードなしなんてもったいなさすぎる

私の大好きな宇多田ヒカルは、どちらかというと、
「如何に音楽を使って人に伝えるか」と言うことに注力している様なイメージで
アルバムのジャケットなんかまでは気力続いていない。
しかし東京事変軍団は「如何に表現するか」であり、
ジャケットなんかを含めて使える道具はあまねく使っている

このアルバムの一曲一曲は聞き込めてないからなんとも言えないけど
流れはほんに気持ちよい。「能動的三分間」で最高点まで盛り上げて
「極まる」(浮雲作詞作曲)でぱしっと納める
アルバムが終わった後訪れる沈黙の時間がとても気持ちいい
オリンピックの競技を見終わった「ほええ、スゲェもん見たぜ」っていう感じそのものだ

曲では
2曲目「シーズンサヨナラ」(浮雲作詞作曲)
なんか最高である
(なんだ俺浮雲さん大好きじゃんw)


あなたは知らないの
過ぎた季節が繰り返すことなどないって
季節知らないままさよなら

最後から2曲目の閃光少女(林檎作詞/誠治)とも上手く対象になっているしw
この曲を試合立ち上がりで聴くとやる気になるよなぁ

8曲目「絶体絶命」(林檎作詞/一葉・林檎作曲)


かなしみよ寝返り打って・・
かなしみよ向こうへ行って・・
かなしみよ押し黙ってわたしを縛り付けないで

この曲も是非是非歌詞カード見ながら聞かせたい
曲と歌詞の親和性が半端無い。

ちなみに椎名林檎にはまりだしてから、初めてまともにこんなアルバムの音楽聞いてるかも
そして初めて「東京事変」というグループとしてのすごさをまじまじと実感中。

宇多田ヒカルは「伝えたい」「伝わり方を知りたい」から世界へ行く
椎名林檎は「表現したい」からこの地のこの時間を音楽にする
奥田民生は、終始テキトーに楽しむw

え?このアルバム買ってない人がいるの?(笑)

仕事で見た生保(悪い方) part1

このブログを見ているであろう人に保険屋さんもいるので、反論・意見よろしく。

2点、最近生保について結構現実を目の当たりにした。
1点目は全般に言える話。
2点目は特に法人に言える話。

長くなってきたので1点目だけで。

●1点目:生命保険が破綻しても90%が保全される。
 これは生保屋さんが悪い話じゃなくて、理解していない私が悪い話。

 何がびっくりしたって、破綻した保険会社の生存保険金が50%減額される例があるという事だ。
 90%は補償されると聞いたので、てっきり10%しか減らないのだと思っていたのに・・・
 そんなん知っていたよ。と言う人は閉じちゃってくださいな。

 保険というのは、「何かあった時に。」というだけでなく、貯蓄代わりや、老後の年金積立や、子どもの学資のためや、いろんな形で生活を守るために契約される。中には「政府の年金なんて信用できない。全部保険会社に任せる」というような人もいる。法人にあっては、退職金の積立金や、やはり万が一の時従業員の雇用を守るために積み立てられていたりする。

 そんな中、2008年10月10日大和生命保険が破綻した。
 私の働いている小さな事務所でも億単位の契約をしている会社もあった。当時結構驚いた覚えがある。
 当時の資料を見てみると、この会社の健全度が解るというソルベンシー・マージン比率は555.4%超(2007年3月)。この比率が200%を超えていると安全な保険会社だそうだ。その前数年も500%超で推移している。健全な会社が潰れたらしい。

 その大和生命の破綻から約1年がたち、大和生命の処理が決定したようだ。
うちの事務所に「こんだけ保険減らさせて頂きます」ってな書類が届いていた。
 その減額割合をみて、相当びびったのである。
1本目:生存保険金51%減
2本目:生存保険金22%減

 というものだった。90%補償じゃないのかよ!と思ってしまった。
 お客様から送られてきたFAXには、元のFAXに自分で計算したであろう削減割合が記載されているだけで、何のコメントも無かった。妙な威圧感を感じた。
 一人の人はなんた半分以下になってしまうのである。シカゴ旅行でよく耳にした「ヲーマイゴッド!」である。

 詳しい説明は私の知識ではできないけど、90%補償というのは、「現在」の積立分を90%補償してくれるだけのようだ。まあ言われてみれば当たり前っちゃ当たり前か。
だから、「未来」の受取額である生存保険金等は補償外であり、複雑な計算を経て50%にもなり得ると言うことだと思う。(現在減額して、今度も利率下げて、複利計算すればそりゃあ減るだろう。特に今後の払い込み期間が長いほど減額がキツイ。)
 現在のものを補償して貰えたって、積立保険を途中で解約すれば破綻しなくたって損失。「ああ普通預金にしとけばよかった」となるだろう。
 かといって続けて払い込んだって、大損。

 保険会社は潰れたら、目も当てられない。というのが今回の感想です。
銀行だとペイオフに備えて口座残高を1000万円以下にするようなお客さんも多いけど。保険に対してはあまりにも無防備だという感じがする。
 前述しているように、大和生命は「健全」だったわけで。少なくとも保険屋は「我が社は健全です」と言うだろう。ましてや10年20年お世話になる保険のこと。10年20年後「破綻しない会社」を選べる人はこの国におるまい。

 今までは、貯蓄が苦手な人については積み立て保険でもいいのかな。と思っていたけど。
 今回のことで私には積立保険型の保険は絶対に販売できないなぁ。メリット0とは言わないけど、銀行の積立預金のが100倍マシな気がする。
 ちなみに、純粋な掛け捨て型の保険は大事だと思う。わしも入らねば。

参考
大和生命平成19年決算書
生命保険文化センター「Q.生命保険会社が破綻した場合、契約はどうなるの?」
YOMIURI ONLINE「保有証券 価値急落 114億円債務超過」

『私の旧約聖書』色川 武大


 あけましておめでとうございます。
 抱負とかから入りたいところですが、さくっと書評(?)から。

 旧約聖書を筆者の解釈や人生経験を軽くちりばめながら解説した本。
 筆者は自閉症(自称)気味で、暗いんだけど、自分と重なる部分なども結構ある。
 どんどん旧約聖書の内容が頭の中に入ってくる。読みやすくて大変名著。

 

 まずもった感想は、旧約聖書は、道徳を蕩々と語った様な書物ではなく、「全然普通の物語じゃん」って事。
 例えば、筆者もお勧めの章「ヨブ記」なんかはお勧め。

 昔々あるところにヨブさんという品行方正な財産家がいました。
 平素から神を畏れ、悪には近づかない。神(イェホバ)さんとしても、文句なし。
 そんな中で、イェホバさんの所にサタンが来るなりこんなことを言いました(がっつり引用)

「誰も理由なしに神を畏れたりするものですか。
豊に暮らしているから貴方を大事にするんです。
逆に無一物になったら貴方を呪うでしょう」
 イェホバさんは、
そうかな、と思って、試しに、
ヨブの子女や財産を全て奪ってしまいます。

 ヲイヲイ…

 しかしソコは品行方正なヨブさん。
 地に平伏して「イェホバの御名は讃うべきかな」。
 実に謙虚に神への謙虚な気持ちを持ち続けます。
 これを受けてイェホバさん納得するか思ったら、さらにサタンに

「なぁに、人間はエゴイストだから、
自分の命さえあれば、持ち物なんか失ったって平気ですよ。
彼自身をいためつけてごらんなさい。
きっと貴方を呪います。」

等と言われ、いじめはエスカレート…。体中腫物だらけにされたり…。
 さすがに、ヨブさん耐えきれず
「何で罰をうけにゃいかんのや…」
 とイェホバさんにこぼすと、曰く「俺がこの世の全てを全部作ったんや、文句あるか」ってな事で逆ギレ。
 最終的にはヨブさんには財産とかは戻されてHappy Endらしいですが、なんともヨブさんが可哀想。

 

 旧約聖書についての引用ですが

 この書物の特徴は、私たちが概念として持っている様な道徳観がほとんどありません。
 ただ一点、神と人間との契約、これが根幹になっておりますから、双方が、つまり神も人間も、その契約を守っているかどうか、これが問題なのですが。人間は、神に対して違反し、その尊崇を捨て去ってはならない。それから、神も、人間と約束したことを履行しなくてはならない。もし忘れれば、神という存在もたちどころに無に帰してしまうのです。

 ちなみに神と人間の契約というのは、「わし(神)が言う場所に行って、わしを崇拝してくれ。そしたら幸せにしてやるよ。(ミムラ要約)」というようなもの。

 筆者は、神と人間を「対等」と言うことを言おうとしている様に見えるけど、どうみても不平等条約。
 不平等であろうがなんであろうが「契約書」が重要な意味を持つというのは、キリスト教社会の必然っぽいですな(今ググって見た)。
 また旧約聖書じっくり読んでみないといかん。結構物語としても面白いし、キリスト教社会の人達の考えの元が多少は理解できる気がした。amazonでなぜか価格が急騰してるねぇ。言ってもらえればかしまーす。

『日本の選挙』加藤秀治郎

「何を変えれば政治が変わるのか」というのが副題。

 地味ではあるけど、選挙制度に焦点を当てた本。
 選挙制度というのは、非常に大事。今の日本も、選挙制度がいびつなためにまともな意思決定さえできない。
 また、名古屋市が「市長」と「市議」がねじれているのも、実は「選挙制度」の問題。
(思い切って言い切ってみたけど。まあご愛敬)

 民主党の優柔不断を批判する前に。市議を批判する前に。何よりも選挙について熱く語る前に、一回は読むことを激しくお勧め。

目次
第一章 日本的「選挙制度論」の虚妄
第二章 民主主義思想と選挙制度の類型
第三章 選挙制度の細目とその作用
第四章 政治制度と選挙制度
第五章 選挙制度の作用
第六章 選挙制度改革の視点
終章 理念なき選挙制度を排除せよ

 目次はずいぶん難しめだけど、内容はかなり平易。
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『密やかな結晶』小川洋子

 この島から最初に消え去ったものは何だったのだろうと、時々わたしは考える。

  この小説の舞台となる島では様々なモノが消滅していく。例えば鳥が消滅する。消滅した後、空を飛ぶ鳥を見ても『鳥という言葉の意味も、鳥に対する感情も、鳥にまつわる記憶も、とにかくすべてを』失ってしまう。そして皆が存在することが耐えられずに鳥に関するモノを処分し始める。
  バラ、写真、カレンダー様々なモノが消滅していく。
 
  その一方で、消滅がおきない少数の人もいる。
  この特別な人達は「秘密警察」にいつも手配されていて、見つかると引っ捕らえられてしまう(この島では記憶狩りという)。だからこの島では記憶を保持していられる人達は、隠れて過ごしている。
 
  主人公のお嬢ちゃんは、その消滅がおきない男性R氏を、家の秘密部屋にかくまう。記憶を失っていく主人公と、記憶が残り続けるR氏の奇妙な生活が静かに繰り広げられる。
 
 ちなみにお嬢ちゃんの職業は小説家。小説も消滅してしまうのだが・・・。

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例のごとくネタバレ嫌な人は以下みないように!
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  この小説の中で、記憶を無くしていく主人公達は、「消滅」に対してさして恐怖もなく、「消滅」を受け入れていく。しかし、その主人公達の「記憶」を何とか呼び戻そうとR氏が必死になっている姿は見ていられない。こっちの世界でもよく見る光景じゃないか。
 
  秘密警察という存在自体もかなり謎で興味深い。
  完全な独裁組織であり、彼ら自体がなんのための記憶狩りをし、彼ら自体は消滅とどう向き合っているのか。
 
  つい最近、「記憶力がないのが悔しい」なんて話をしていた。
  この話をしたのは小説を読んでいる最中であったけど、間違いなく影響があったんだと思う。客観的に記憶が失われていく様を見るのは非常に怖いモノがある。
 むっちゃこえーよこの小説。

『できそこないの男たち』福岡伸一

amazonより

「生命の基本仕様」―それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスはそのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす“使い走り”に過ぎない―。分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる「秘密の鍵」。SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと駆け引きの息吹を伝えながら「女と男」の「本当の関係」に迫る、あざやかな考察。

 この本は2つの意味で面白いと思う。
●一つには、遺伝子から女性、男性が発生してくる過程が解るという科学的興味。
●もう一つには、遺伝子や性を巡っての成果を競い合う科学者のドラマ。
 この人の文章はほんに面白い。私的には後者が特に面白かった。

 最初は非常に高精度なレンズを作り、最初に精子を見つけたレーウェンフックの話から始まる。このおっさんが最初に精子をレンズを通して見たのは1677年。
 ちなみにフェルマーのおっさんが没したの1665年らしい。この時代は科学とかが急激に発展してる気配がしてワクワクする。

 次に1905年、ネッティー(米国)という女性がチャイロコメノゴミムシダマシという昆虫を解剖し、精子や卵子、体細胞をいろいろと観察していく中で、

メスの体細胞には20個の大きな染色体が存在する。オスの体細胞は19個の大きな染色体とひとつの小さな染色体が存在する.

 という事を見つけ、論文として発表する。
 この20個目(こやつらは少々数が少ない。)の大きい染色体と、小さい染色体が、オスとメスを分ける。そんな事を見つける。(X染色体,Y染色体)
ここまでたどり着くドラマを読むだけでもゾクゾクくる。

 そして一気に1900年代後半。
遺伝子が読まれる様になり、「オスを決定する遺伝子」を巡って競争が始まる。
そしてSRY遺伝子の話へと入っていく。
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