Daily Archives: 2012 年 9 月 14 日

Storm in a Teacup/AKB48ドキュメントの感想など

 色んなところで話題になるので見てみました。
 たかみな氏カッコいい。篠田氏美人。前田氏・・・ふむなるほど日本男子はこういう子が好みなのか。

『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』
 事前評を聞く限り、そうとう激しい(戦争だ!)と聞くので、えらい映画で号泣だろうなーと思ってみたのですが。案外平然と見終えてしまった。
 もっと、人間不信になったり、人間としての尊厳をバキバキにやられるような場面が写るのかと思ったら。締め切り前のデスマーチという感じだなというのが素直な感想。
 いや、もちろん裏ではよっぽど精神的にきつい色々なことがあるはずだ。ってか大場美奈氏が飲酒・交際(笑)で謹慎みたいなのは盛り込まれていた。帰ってきたときの「ザケンナボケ」と言う吹っ切れた顔は中々素晴らしかった。
 個人的にはもっとこういうのを・・・(悪趣味)
 ちなみに、被災地とAKBを交互に写すもんだから、非常に恐縮してしまった。同じ現実なので、整理をつけて捉えないといけないんだろうけど、中々AKBへの感情と被災地への感情をごっちゃにされると大混乱が起こってしまう。

 さてさて、映画中印象的だった言葉に選挙やらじゃんけんの後「勝てませんでしたが、正直ほっとしました」というものが。同じ趣旨の言葉を映画中別々の人から3回くらい聞いた気がする。
 彼女らにとってこれらの勝負をしている意味は「場の確保」なのかもしれなと感じましたがいかがでしょう。
 AKBの上位であるという所属がほしいのであって勝負に勝ちたいわけではないんじゃないかという印象を受けた。団地コミュニュティーに留まるためなら火曜サスペンスだって起こりえるアノ感じ。
 男性が勝負事をして「負けてよかった」なんてことは、苦し紛れの言い訳以外ではまーないのでは。この辺り性差で片付けてしまってもいいでしょうか。(どっちが良い悪いという話ではなく)

 もう一つ印象的だった言葉は、被災地を訪れて「歌で人を幸せに出来ることが分かりました」的な発言。
 いや、今までも十分擬似恋愛を提供していたわけだが。そんなのは承認欲求をちっとも満たしてくれていなかったのだろうか。
 落としたパンに蟻が群がっても興味がわかない。しかし、可愛い猫にパンをあげて初めて「ああ動物にパンをあげるって素晴らしい」と感じた。
 AKBのファンは傷つかなかったのだろうか。と素直に。

 また、若い女性の集団行動ってのはそんなに目にする機会はないわけで、そういう意味でも興味深かった。あちこちで泣く女性あれば、母性を発揮して抱きしめる女性あり。なんか複雑だなと。この中にも冷静に振舞っている人と、そうでない人といるんだろう。
 男性集団だと、母性なんてないので全員ガキで、洋画ならロッカーをぶんなぐり、みんなでウワーンと泣いて、翌日はハッピーとなっているのかなと。

 そして秋元康。

安藤忠雄の仕事の理念に「多作が新しい発見につながる」というものがあり、秋元康も並行して100以上の仕事をこなすらしいので、二人の仕事術をつなげる一番の接点は「多作」という部分だと思います。
GOETHE 2012年5月号の安藤忠雄と秋元康の対談が面白かった/Future Insight

 この人にとってAKBは数多く手がけた作品の一つでしかないのだろう。

成功するためには、何が必要か?
………運です。
僕はこの38年間、スターと呼ばれる人たちを見て来ました。
僕も何人もプロデュースして来ました。
そこで見たものは、運です。
どんなに実力があっても、
運がないとスターにはなれないのです。
じゃあ、努力をしていても無駄なのか?
努力は報われないのか?
そんなことはありません。
努力は必要です。
言い方を変えれば、
努力は成功するための最低条件です。
みんな、必死に努力して、
じっと、チャンスの順番を待つしかないのです。
秋元康がgoogle+で、AKB48の「非」選抜メンバーに贈った言葉が名言/attrip

 秋元康は彼女らを不幸にする気もなければ幸せにしてやる気もないのだろう。
 新大陸を目指し色々な船を出す。乗っかってきた子達と旅に出る。そんな船を沢山出し、たまに新大陸を見つけ出す。そして、彼の作る船は数をこなすことで自然と精度の高い船になっていく。
 そして彼の船にはより素晴らしいクルーが目指してくるようになる。

 AKBの苦労の姿と言うのは、お互いに納得の上の大人同士の契約なのだろうと。だからこそ、当初思っていたよりも辛い気もしないし、かわいそうとも思わなかったというか。

 外からコップの中の嵐を見るのは気楽なもんで当事者は大変だ。しかし、コップの中で必死に戦わねばならんこともあるわけで。こんなガキンチョどもがやっておるのに負けてはおれんなと。最後はやっぱり思うわけです。