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『レオ・レオニ 絵本のしごと』刈谷市美術館

 刈谷市美術館の『レオ・レオニ 絵本のしごと』という美術展に行ってまいりました。
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 レオさんは、1910年オランダ生まれのユダヤ人グラフィックデザイナー。30才手前でユダヤ人であるためにイタリアからアメリカに亡命し、49歳の時に『あおくんときいろちゃん』で絵本デビュー。最初は電車で退屈する孫に、切り絵で物語を作って聞かせたところからだとか。

20140504leolopnni_peche どれも明確なメッセージ性のある作品ばかりで、周囲に溶け込みきれない気持ちや、自分には何か足りないんじゃないか、というような自意識つーか、自分をどう理解するか、といったところに訴えかけてくるような話が多い。最終的には、自己を肯定する術を教えてくれているようで、温かい気持ちになる。もしかしたら自分がずっと飢えていたものかも。
 でもって、さすがグラフィックデザイナー。色彩がとても美しい。そして、個人的に一番キタのは、背景への執着。絵本なので、画面内の情報はシンプルでも、地面や背景の植物は必ず変え、かき分けているのが印象的だった。
 抽象的ながら、よく地面や植物を表していて物質への愛を感じる(笑)

 印象に残っているレオさんのコメントが「単純なものを作れば読んだ人がそれぞれの人生に合わせて理解するので、単純に越したことはない」みたいなもの(正確に覚えとけよ)。この⇒のペツェッティーノに至っては、必要最低限の塊だけで物語が進んでいく。
 ねずみも数多く使われていて、個人的な印象だけど、子供が感情移入しやすい対象なんだとろう(小さくて、ちょろちょろしていて)。
 レオさんの本の多くを翻訳している谷川俊太郎先生が、レオさんの「意味が伝わらなきゃ意味がない」みたいな言葉に対して、「詩では勘弁してほしい」とコメントを寄せているのには笑ったけど、レオさんは、読む人に明確なメッセージを伝えないと意味がないと考えているようで。ちょっとユダヤの方っぽいなと勝手な偏見。

 そーそー彼は小さいころは、外で遊ぶというよりは、瓶の中に植物を入れ、箱庭的なものをつくっていたそうで。解説曰く統制可能な世界を好んだのだと。ちょっと説教臭くて、おせっかいな感じがとても気持ちのいいレオさんでした。