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シフォン主義

 二十一世紀の資本主義論/岩井克人 という本に「美しきヘレネーの話」という章でギリシャ神話「パリスの審判」の話がある。ご存じの方が多いのだろうなあと思いながら自分のために書いてみる。

 昔昔のお話。海の女神テティス英雄ペーレウスの結婚式が行われることになった。
 この式には神々の王ゼウス自らがしきっていた。さすがにオリンポス在住の全ての神が参加。のはずなのに、そこには争いの女神エリスの姿はなかった。呼ばれていなかったのだ!(実際の結婚式でも、争いの女神を呼ぶかどうかは困りものなのかね。)
 それにキれたエリス「もっとも美しい女のもの」と書かれた黄金の林檎を、神々の元に投げ入れた!呼んでも争いの種になるんだろうが、呼ばなくても…。
 ここから、その黄金の林檎の所有者を巡り、へーラーアテーナーアプロディーテーの美女神による美しさを巡ってのバトルが勃発する。
 女子バトルに困ったゼウスは、トロイアの王子パリス(人間)に審判を押しつける。
 パリスに「もっとも美しい」と審判してもらうために
ヘーラーはアジア全土の支配権
アテーナーは戦争での勝利をもたらす英知
アプロディーテは地上で一番美しいとされているヘレネーを妻としてあたえるという約束
 を提示する。パリスはもちろんヘレネーを頂き、アプロディーテがもっとも美しい女と認定されたわけです。めでたしめでたし。

 その実、アプロディーテの美には全くふれず、アプロディーテが美しい女と認定されてしまったわけで。さらにヘレネーも本当に美しいかどうかすら明らかでないのに。実態を無視したところで、「美しき女性」という言葉が一人歩きして交換に利用される。ヘレネーちゃんはたまったもんじゃありませんが。
 この、本質を全く無視した「美しき女性」という存在。これこそが資本主義の根幹をなす「貨幣」のたとえとして本の中で描かれております。
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『スティグリッツ入門経済学』ジョセフ・E・スティグリッツ

スティグリッツ入門経済学 第2版
(Joseph E. Stiglitz, 1943年2月9日 – )読了
訳者は
藪下史郎・秋山太郎・金子能宏・木立力・清野一治

 思い出した!元はケインズ読もうとして挫折して、これに取りかかったんだった。ということは、またケインズを。しんどいわ!
 ここまで読んだら同じシリーズのマクロ経済、ミクロ経済も読みたいし。しんどいわ!
第1章 自動車産業と経済学
第2章 経済学的な考え方
第3章 取引と貿易
第4章 需要・供給と価格
第5章 需要・供給分析の応用
第6章 時間とリスク
第7章 公共部門
第8章 マクロ経済学と完全雇用
第9章 経済成長
第10章 失業と総需要
第11章 インフレーション

 前回「GDP増やすことしか能がない」等と、門外漢が適当に批判したけどやっぱりこれは違うな。経済学も他の学問と同じで、ただの道具としてつかってナンボやと思い直してみたり。
 経済学という道具セットのよく使われる道具の名前と機能だけは一応了解した。と言う感じですな。これで、エセ経済学者の情報は排除できるようになり、最低限の基本的な議論にググりながら参加できるようになるはず。

 後半読んで
「公共財」という考え方と「情報」の関係(ソースは無料)
ソニーや原発やユッケ問題についての「外部性」の問題(情報の話を添えて)
失業率を決定する「フィリップ曲線」の話(インフレとの相対する風味を楽しんで)
経済を一気に成長させる(?)「乗数効果」の話(そう簡単にイカんだろ風味)
そして、この今回の地震についての復興を経済学で見ると(能力オーバー多少の焦げ目と共に)

的な事を書きたいのだけど。
今日は時間がないので、テーマあげただけで放置。
需要があるか書きたくなったら発掘予定。経済学面白い。

There is no such thing as a free lunch.

 まっ黒な日記を目にするとしばし興奮する。という自分のフェティシズムに気付いた今日この頃。もちろん妙に改行が入っていたりとか、各行短かったり、絵文字沢山では興奮が薄れる。萌えるのはやっぱりまっ黒。
(まっ黒ってのは、文字がいっぱい詰まっていると言う意味です。)
 色々な想いがあふれ出ていて表現がパンクしそうな感じがたまらない。
 そういうの自分は書けない。まっ黒な日記。結論数行書くだけで満足してしまう。あとは引用。できないことに憧れる。これは人類共通に違いない。

 このGWは特に誰に誘われるわけでもないので、まったり本でも読んでいます。やっぱ人混みは行きたくないし。みなさんのまっ黒日記を楽しみにしております。
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 さてはて、GWの課題図書「スティグリッツ入門経済学」。→のやつは第3版だけど、読んでいるのは第2版。
 そもそも工学部出身の自分には経済学に対する素養というものが全くないわけで。そのくせ経済学に対する偏見があって「GDP増やすことしか能がない」と思っていたりします。経済学者が言うことは「成長」という言葉ばかり。気にくわない。それならそこで、敵と戦うには敵を知らねば。あとは、仕事柄まわりに経済学部の方が多い業界なので、基礎知識として。と思って読み始めたけど結構想像以上に面白いぞこれ。
 この本はとても読みやすい。数式は殆ど無いが、例が豊富で、具体的な数字もかなり与えられているので、イメージしやすい。計算したけりゃ勝手に計算できるし。これはお勧めできる。
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