いくらあっても時間が足りないよねえ

 日本では表現の自由ってものがあるらしい。

日本国憲法第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 なぜ表現の自由が憲法にまで明記される必要があるのか?芦部信喜氏の本ではこうかかれている
(太字は三村の意図)

表現の自由を支える価値は二つある。一つは、個人が言論活動を通じて自己の人格を発展させるという、個人的な価値(自己実現の価値)である。もう一つは、言論活動によって国民が政治的意思決定に関与するという、民主政に資する社会的な価値(自己統治の価値)である。表現の自由は、個人の人格形成にとっても重要な権利であるが、とりわけ、国民が自ら政治に参加するために不可欠な前提をなす権利である。
「憲法-第四版./芦部信喜」P165

 私が何時間もかけてブログを書くのは、自分で文章を書くことによって思考が整理されるし、たまにコメント付くと嬉しいし、といった理由がほとんど。100%自己満足だけどこれも一つの表現の自由の価値ですな。(自己実現の価値)
 もう一つは、国民が政治に参加の前提としての価値。選挙に行こうにも情報がないと参加できないわけです。「菅直人って権力にしがみついとるだけとちゃうか?」と今評価できるのも、メディアによって情報を得ているから。もしメディアが鳩山氏が首相になったときから、ひたすら毎日宇多田ヒカルの情報ばかり流していたら、菅直人が首相になったことさえ気づかない国民は多いかも知れない(笑)
 だからこそメディアは多様性が求められるし、そうじゃなきゃ国民はメディアに民主主義のための重要な情報をコントロールされてしまうことになる。

 ところで、こんな当たり前の事を書いているのは、Twitterでこんな情報を目にしたからです。

ディレクターの長谷川です。時事性の高いコーナーは各番組とも1週間で更新、というTBSラジオの方針により上杉隆さんのサウンドパティスリーも今週分から1週間の公開となります。過去分については明日(12/1)いっぱいの公開となります。 #kirakira
約6時間前 webから

 私は、「上杉隆さんのサウンドパティスリー」ってのをpodcastで聞くのをいつも楽しみにして多のですが、どうも過去のアーカイブが削除され、公開期間も1週間になるらしい。まあ一度落としてしまえば変わらないんだけど。

 ここ一年くらいかなあTwitter界隈で話題になっていたのがTBS RADIO「小島慶子キラキラ」に出演している上杉隆氏。
 この人はフリーのジャーナリストで、「記者クラブ問題」や「官房機密費」について、マスメディアを厳しく追及することで、ここ一年くらい目立っていた。官房機密費の問題でも、政治家を叩いたわけではなく、マスメディアを叩いていたというの特徴だと思う。

 「記者クラブ問題」をざくっと説明すると、大手マスメディアが組織している「記者クラブ」という集団が各省庁にあって、自民党時代からずーっと大臣や官僚の記者会見等は「記者クラブ」がしきっており、フリーの記者などは記者会見に参加できないようになっていた。マスメディア側は情報を独占でき、政府側としても情報をコントロールしやすいという、お互いのメリットがあるらしい。
 しかし、容易に想像ができるけど、いつも同じ顔ぶれで同じように会見をしていたら、厳しい批判もしにくくなる。想像もつきますわな。
 そして、実際に記者クラブは政府、ってかとりわけ官僚に厳しい批判はしない。下手なことすれば記者クラブからはずされ、情報が全く得られなくなる。社会保険庁の問題だってここまで放置されていたのは驚きだったもんで。検察の証拠ねつ造問題も検察のリークに基づいて報道するというおかしな自体になっていたり。
 そして、そのオチともいえる「官房機密費」の問題。「記者クラブ」の人やテレビの有名評論家たちが、ちゃっかり官房機密費からお金をせしめていたんじゃないかという批判。評論家面している裏では、政府から金貰って記事書いたりコメントしてたんじゃあ、なんともまあ。(時系列的には官房機密費の問題が、検察の証拠ねつ造より前)。
 上杉隆氏はよく「渡す側はそりゃあ当然どこの国でもある。でも記者がうけとっちゃまずいでしょ(笑)」と言う。受け取ったら普通の国なら記者として筆をおる。でもこの国ではみんなもらってるから、怖くない。アホカ

 そんな記者クラブを批判していた上杉隆氏はテレビからは干されていたわけだが、そんな中でTBSラジオ「小島慶子キラ☆キラ」という、冒険心ある番組でああだこうだと発言をしていたわけです。関東のラジオ局なので本来聞けないのですが、上手いことpodcastで配信されており、名古屋在住の私も聞けてしました。が!
 podcastの過去分は全て削除。公開も一週間のみ。っつーなんとも効果があるのかないのかよくわからない「自主規制」がかかってしまったわけです。ココ最近は配信されたものにさりげなく「編集」が加わって一部カットされてきているようなのですが…。

 こーんな小さなラジオの一できごとでわざわざ一個の記事を書いているのは、マスメディアがこういう姿勢なんだって事を書きたかったからです。マスメディアは「表現の自由」の担い手であり、それを生業としているはず。その存在は憲法でさえ保障されている。しかし、そのマスメディアがこんな時代に、逆効果でしかないような「自主規制」をかけ始めている。
 選挙に行くために必要な情報をどうやってあつめるのか、重大な問題だなあとしみじみ思うのでした。さっさと英語読めるようにならないと(汗)

 最後に、もちろん上杉隆氏だって当然に誤報もあるだろうし、嘘だって付いているかも知れない。しかし、メスメディアも誤報があり、嘘だって付いているかも知れない。
 まあ分かるんだ。マスメディアも広告も厳しい新聞は売れない。そのうえ政府にまでハブラレタらどうなんねんと。もし広告主の企業にまで圧力が加わっていたりすると大変なこってすな。

 そーいや検察ねつ造問題どうなったのかね。現場の記者はきっと多少は情報集めてるんだろうけどねー。もー終わったのかな(爆笑)

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