監督 スティーブン・ダルドリー
製作 アンソニー・ミンゲラ他
脚本 デヴィッド・ヘアー
出演者:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ他
原作:『朗読者』ベルンハルト・シュリンク
地中海ブログ
というところの影響を受けて、色々考えるとっかかりができたので、ついでに考えてみる。
もしよければ、「愛を読むひと」借りてから以下読んでみて貰えると共感できるかも?
見ていて終始感じていたテーマは「悪の線引き」だと感じていた。
まず前半で若い童貞君とそこそこの女性とが関係する。
その童貞君がじっくりと映画の時間を使いながらどんどん女性にはまっていく。見ているこっちもその女性にドンドン惹きつけられていく。サイクリング言ったりなんだかんだしている内に急に場面が変わる。
その法学科の元童貞君は、裁判所に出向くゼミ中に。その女性を裁判所でしかもホロコーストの被告として目の当たりにすることになる。
彼女は生活のためにナチで働き、次から次へ来るユダヤ人を死地へと追いやる仕事をしていた。
そのことについて裁判官は「貴方は知っていましたよね!?」みたいなことを聞く、彼女は
「次から次へと囚人は送られてくるのです。あなたならどうしますか?」
と聞く。
このシーンが自分の中では最大のシーン。
この女性はよぼよぼになり、自分勝手なことを言いだし、少しずつ見ているこっちの共感を失っていく。
このシーン以後、感情は右へ左へゆさぶられ、後味の悪い映画になっていると思う。そしてそれがこの映画の伝えたいことだろうなぁと思うのであります。
以前友達と話をしていて「戦争中に物奪うのはしょうがないやん?」と言ったところ「いや物を奪うのはいかんよ」と言われたことがある。
これにはおったまげた。切腹文化のある日本は多少違うかもしれないけど、それでも個において正義より生が優先されるのは当然でしょう。そしてその過程で起こった罪ももちろん裁かれなければいけないが、それだけでいいのか。
常に自分で問うていてもいいんじゃないかなあと思うのです。
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