ネタバレなんて気にしない『時をかける少女』谷口正晃

 身の回りでは大絶賛だった気がするようなこの作品。そんなにビビビンとこなかったなあ。仲里依紗はそりゃ可愛い。みんな見ていた気がするので、見ていた人が読む前提で以下自己満足カキコカキコ。ちなみに、筒井先生の原作も過去の映画作もアニメも全部みておりませぬ。

 どこまで原作通りなんやろか。
 2010年のおかん芳山和子(安田成美)は1972年4月にいるはずの当時の恋人深町一夫(石丸幹二)に会うため、過去に行ける怪しい薬を開発する。しかし、普通に交通事故をして娘の芳山あかり(仲里依紗)が、代わりに薬を飲んで過去に向かう。でもまちがって1974年2月の大学の理科の実験筆の溝呂木涼太(中尾明慶)の上に落ちてくる。
・なんで、おかんの意識が回復するかもしれない、くらいの理由で過去まで飛ぼうと思うか?
・1974年に大学の理科の実験室で、大学に関係のなさそうな映画監督を目指す涼太は何をしていたのか?
・おかんは記憶が残ってるからタイムリープの薬を作ろうとしたのか?無意識?
・どっちにしてもおかん、1972年に悲しい別れをして、1974年にも新(?)恋人ゴテツ/長谷川政道(青木崇高)をアメリカにいかしちゃうなんて、女として男前すぎる。いや、切なすぎる。あるいは、ゴテツは「二番目の男」という事で、妥協を皮肉に描いているんだろうか。
・こんな可愛い女の子に「お願いだから泊めて!」と言われて、なぜ断れるのか。(せめて知り合いの女の子の家紹介するとかようよう。)
・ゴテツや一夫みたいな女を平気でほっぽらかす輩がもてて、涼太や浅倉吾朗(勝村政信)みたいなのが報われないってリアルすぎて泣けますね。
・正直。いきものがかり苦手なんだ・・・。
・まあでもさ、ヒロインがかわいくて、ヒロインに恋する男が切ない結末ならとりあえず、映画全体がよかったような気持ちになるよね。

 ちなみに、余談でよく言うことなのですが、タイムトリップもので、未来の人が来て「キミ!そんなことしたら歴史が変わってしまうからいかんよ!」ってな事をいうストーリーってちょっと抵抗があるのです。
 歴史ってあのとき誰がどういったから変わったとか。あの人が生きていたから変わったとか。そーいうのって少し違うと思うのです。
 誰かが1分寝坊した。寝坊して駆け込み乗車になって、電車が10秒遅れた。その10秒遅れたせいで信号が渡れず会議に遅れた人がいる。その会議に遅れたせいで大きな会社の統合がパーになる。その会社の統合がパーになったおかげで、研究部員がまもられ、偉大なノーベル賞が生まれる。そんな事があるかもしらんわけです。
 このくだらないブログを読んでいるという行動も、何か未来の大きなうずの一部になっている筈なのです(ごめんよ!)。今一瞬の全ての人の動き行動が未来を作り上げていく。それを考えた時に、未来の人同士で「そいつ殺しちゃいかん!」みたいな話にはならないはず。過去に影響を与えて未来に困ったことが起きるなら過去に行く事自体が重大犯罪でありましょう。

 なんか調べてみると筒井先生もそんなに、自分で好きな作品ではないようで。また筒井作品も読みたいなー。ではでは。

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