保険を買う時に気を付けること

 周りに結婚や出産が増えて参りました。それぞれに扶養する相手ができ、自分にもしものことがあったら。そんな事も考えねばならんわけで。母子家庭なんて金銭面はほんと大変なわけで。お客さん(会社)の従業員さんの結構過酷な話なんかも聞かせてもらいます。行政なんてほんとアテにならない。
 最初新卒で入れば初任給月20万強から着々と上がっていき、5~6年で月30万くらいいっちゃってる人もいるかも。しかし、一度辞めたりすれば、一気に下がって18万とかそれ以下とか。あるいは時給でパート。それで子供まで育てるんだから大変なことです。

 そう言う時に助けになる保険というのはやっぱりありがたい制度です。
 ただ、この保険どーも入りすぎている人がいる。リスクを取るために入ってるのに、リスクが増えている人がいる。真剣に気になっています。一応ここ数ヶ月保険の資格等もとり、研修などにもでかけています。ただし契約までやった実務経験はほとんどありません。
 その代わり全体の支出の中で、収入の中で保険がどういう位置づけなのかというのはたかが数年されど数年。見てきています。ちったー役に立てるかなと。
 知人が読んでいることを期待して、この文章を書きます。
「保険は家の次に大きな買い物です」ってのは保険マンが良く言う言葉ですね。しっかり考えて見ましょう。

 私が保険の役割を分けるなら2つに分けます。
・保障
・資産運用(節税)
この2つは別個にして考えるべきです。

 言いたいことから書くために2つめの「資産運用(節税)」から書いてみます。学資保険や養老保険、外貨建てなんちゃら、なんて言うものが多いでしょうか。積立の保険と言った方がわかりやすのかも知れません。
 資産運用系の保険は「満期時には払い込んだ金額よりも大きな金額が戻ってきます!」とかいう言葉で勧誘されます。今だと外貨建てで利率もいいでっせ!なんて言う言葉が付け加わるでしょう。外貨でリスク分散です!みたいなのも常套句です(私も研修で練習させられましたハイ)。外貨だと年利3~4%の数字を提示されるんじゃないかな。
 これは保険会社に任せてお金を運用すると言うことです。ちなみに、保障がサービスで付いてくるなんてことは当然なく、掛け捨て分の料金がきちんと上乗せされています。計算すると実にぴったり。
 資産運用となると、「銀行預金」「投資信託」「外貨預金」「株式」等色々な選択肢があるわけですが、保険会社に任せることにメリットはあるのか、当然他の商品との比較検討が必要です。商品の比較検討さえ嫌なのなら資産運用なんてやるべきではありません。掛け捨て保険にして、残りを貯金しましょう。

 で、保険会社に運用を任せると利率は他に比べると良かったりします。下手な定期普通預金よりは確実に利率がいいでしょう。その利率の反面、大きな落とし穴が存在しており、それが「中途解約」です。即ち満期前に解約すると大変大きな痛手を被る可能性があるのです。
 銀行の普通預金に100万円を10年満期で預ければ101万円くらいにはなってくる。5年で解約しても100万円は下回らないでしょう。
 しかし、保険会社に100万円預けて10年立てば110万円くらいになってるかもしれない。しかし、5年で解約すると95万円だったり90万円だったり。商品によってはもっと悲惨な金額(70万や60万ってことも!)だったりするわけです。
 なぜ、保険に入ろうとしているのか。それは普通「もしも」の時に備えるためです。十分な貯蓄が無いから保険に入ろうとしているはずです。保険でカバーされる「もしも」は限定されています。例えば死亡保険に勤め先の倒産は勿論含まれない。(上手いこと自殺してくれれば別でしょうが。)保険に入って5年後勤め先が倒産した時、保険会社からお金を引き出そうとすると、資産運用したお金はほぼ確実に元本割れするわけです。高々数%の利息を取るために、大きな損失のリスクを負うわけです。
 そして、実際の事業会社の経営者がこれで随分苦しめられているのです。「10年後に同じ額帰ってきますから」と言われて、何らかの資金が必要になって5年後に解約。多額の損失を被る。保険に入ったために新しくできたリスクです。
 友人の家で高価な壺割ることだってあるかも知れない。

 余談ですが資産運用の保険は、相続税の節税対策としては非常に優れています。
 相続税は「死んだ時」の財産の金額等を元に計算するのですが。
 保険を使えば、100万円預けた瞬間に、貰えるお金が80万円になったりします。その80万円しか解約返戻金が貰えない内に相続が起きれば財産が目減りして少し節税ができたりします。そして10年後相続人が100万円貰えればしめたモノです。
 なおこういう人は途中で解約する必要はまったくないほどの金を持っています。

 「満期時には払い込んだ金額よりも大きな金額が戻ってきます!」こんな言葉を保険屋さんにかけられたら、穴が空くほど解約返戻金を眺めてください。そして頭に地震雷火事親父ありとあらゆるリスクを想定して、中途解約は絶対にないか。他に貯金はあるか。よくよく考えるべきです。自分だけでない、親族に急用の金が必要なこともあるかもしれませんね。
 さらに、保険会社の倒産というリスクも十分あります。普通預金はご存じのように1000万円守られますが。数年前の保険会社が潰れた例では保険金や解約返戻金が1~3割くらいカットされていました。一般的に銀行よりも保険会社の方が潰れやすい、潰しやすいと言われますね。
 掛け捨てなら保険会社の倒産は大したリスクじゃないですが。

次に「保障」についてですが
 一番考えるべき点は、その保険でカバーされる以外のリスクを山ほど負っていることです。保険料払ってその保険事故が起きればいいですが、他の事故が起きれば、その保険料分リスクに対応できなくなるわけです。
 もちろん大きなリスクに備えて保険にはきちんと入るべきです。しかしすなわち自分の身の丈に合った高すぎない保険に入るべきでしょう。まあおもいっきり賭けてギャンブルにいそしむのもいいですが。
 今放射能を畏れて福島市から避難している人は余分な保険料分が貯蓄になっていただけで随分助かったことでしょうね。

 どうしても、「恐怖」を言われると、過剰に対策をしたくなってしまします。しかしそれ自体が気付かぬ内に新たなリスクを呼び起こしていることがあるわけです。ちょいとコンなことを頭の片隅においといてほしいなあと切に願うところです。
 たった2500文字程度の事ですが、この程度の事で苦しんでいる人が結構沢山います。ってかこの仕事始めるまでこんなこと知りませんでした。私の同期は20代後半。これから保険に入るところでしょう。既に入っているかも知れません。しっかり自分のリスクと向き合って欲しいなと思います。
 泣きっ面に蜂。なんて言葉を聞きたくないよ。

Pages:
  1. 保険って毎月の支払額で考えちゃうけど、月額×12ヶ月×年数の金額で考えるべきだよね。

    車並みに大きな買い物だと思わないとだよね。

  2. やいだ(みむら)

    保険って本当は「一回買ったら解約できない」なんて性質の商品じゃないはずだけどね。

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