There is no such thing as a free lunch.

 まっ黒な日記を目にするとしばし興奮する。という自分のフェティシズムに気付いた今日この頃。もちろん妙に改行が入っていたりとか、各行短かったり、絵文字沢山では興奮が薄れる。萌えるのはやっぱりまっ黒。
(まっ黒ってのは、文字がいっぱい詰まっていると言う意味です。)
 色々な想いがあふれ出ていて表現がパンクしそうな感じがたまらない。
 そういうの自分は書けない。まっ黒な日記。結論数行書くだけで満足してしまう。あとは引用。できないことに憧れる。これは人類共通に違いない。

 このGWは特に誰に誘われるわけでもないので、まったり本でも読んでいます。やっぱ人混みは行きたくないし。みなさんのまっ黒日記を楽しみにしております。
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 さてはて、GWの課題図書「スティグリッツ入門経済学」。→のやつは第3版だけど、読んでいるのは第2版。
 そもそも工学部出身の自分には経済学に対する素養というものが全くないわけで。そのくせ経済学に対する偏見があって「GDP増やすことしか能がない」と思っていたりします。経済学者が言うことは「成長」という言葉ばかり。気にくわない。それならそこで、敵と戦うには敵を知らねば。あとは、仕事柄まわりに経済学部の方が多い業界なので、基礎知識として。と思って読み始めたけど結構想像以上に面白いぞこれ。
 この本はとても読みやすい。数式は殆ど無いが、例が豊富で、具体的な数字もかなり与えられているので、イメージしやすい。計算したけりゃ勝手に計算できるし。これはお勧めできる。

 まだ読んでいるのは途中だけど、復習がてら。以下、経済学部出身者等からの批判反論大歓迎。

経済学の基本問題

 まず経済学はここからスタートするそうです。

  • 何が生産されるか
  • これらの財はどのように生産されるか
  • これらの財は、だれのために生産されるのか
  • だれが経済的決定を行うのか、またどのような過程を経て行うのか

 一応自分の偏見「GDP増やすことしか能がない」については、結構当たっていたのかなと。
 そして、その底流に流れているのは希少性(scarcity)という考え方。

あるものをもっと多く食べるためには、他の何かをあきらめなければならない。すなわち、フリーランチはない(There is no free lunch)。希少性は人間社会の基本的事実である。(P39)

 みんなお腹が空いている。さあいったい何をどのように誰に向けてどういう決定において生産すべきなのか。
(蛇足)今の社会は稼ぎのある人はお腹一杯。お腹減ってる人は金がない。って事だったりするんじゃないかなと。

経済学者の意見の不一致

 経済学者でも「増税しろ」と言う人と「減税しろ」という人がいる。なぜ意見が不一致になるのか、これには大まかに3つの要因があるという

  • モデルの相違によるもの
  • 量的な関係に関する推定の相違によるもの
  • 価値観の相違によるもの

 経済学のモデルなんてそこら中に怪しい変数が在るわけで、確かに一致することは難しかろう。
 量的な推定も、増税してGDPがx%下がるという予想が一致していても、「1%下がる」と「3%下がる」という意見では導かれる結論は異なるだろう。
 そして最後に信念もあるわけだ。経済学者が意見を異にいしている時、何で違うのか、しっかり検証する必要はあるだろう。
 スティグリッツ先生は、とりあえずこれだけ抑えておけば素人でも十分役に立つという。

限界費用と限界便益

 この言葉よく見かける割に理解していなかった。なんとなく理解できたと思う。
 水を「あともう一杯!」飲んだ時の利益が限界便益なんだな。
 朝喉がからからの時の1杯目の限界便益はかなり高い。2杯目はちょっと低くなる。
 今日本の水道水の水の値段が安いのは、みんなが思う存分水を飲めているので、「あと一杯!」がそんなに必要でないから安い。特に水自体に価値がないとかそーいうことではない。

比較優位

 この話はとても興味深かった。
Q.A国は何してもB国よりもコストがかかる。その時にA国はもうダメか?
A.いやいや、A国には比較優位なものを生産すればいいのですよ。
となる。何を作ってもA国はB国には敵わないが、国には労働力の制約などがあり全部を作れる訳じゃない。そう言う時に、絶対的な生産効率で勝てないA国でも、B国に比べて相対的に生産効率で優る場面が出てくる。
 例えば

A国は全国民を投入すると
 ロケット鉛筆 500本
 ねりけし君 500個生産できる
B国は全国民を投入すると
 ロケット鉛筆 1000本
 ねりけし君 2000個生産できる。

 B国はねりけし君生産が得意で、A国はどちらかというとロケット鉛筆の生産が得意だ。
 A国はB国に対して、ロケット鉛筆の生産で比較優位だ。このとき、B国がねりけしに専念し、A国がロケット鉛筆に専念することで全世界的な生産効率が上がる。
 例えば、ねりけしが2000個必要な時に、B国が専念すれば、ロケット鉛筆500個が世界に供給される。
 しかし、A国が500個作り、B国が1500個ねりけしを作ると、ロケット鉛筆は250個しか世界に供給されない。

 本の中で1人当たりのコストみたいな話はでてきていないけど、上記の例が人口が同じだったとしてもやっぱり成り立つことは成り立つ。
 その他需要の問題とか、人の移動の問題とか色々突っ込みどころはあるけれど、まず基本原理として面白い。

あれま。最後まで読んでくれる奇特な方がおられるとは。
ありがとうございまする。
んではまだ続く。

Pages:
  1. 出たな、ノーフリーランチ理論!
    Oh,TANSTAAFL!(笑)
    なんてったって『夏への扉』はSF的に必修だと思うのですよ。

    と、みむら氏が意図したのとは全く違うであろう方向からのコメントを残してみるw

  2. やいだ(みむら)

    かなり意外なコメントあざっす
    いや、これくらい予測できるようになっていたいもんだわさw

    夏への扉何度も色んな人に勧められた気がするけど
    まだ読んでいないなー
    ってなことで注文はしてみた

    あー筒井康隆読まないと。

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