十五歳だった!

 原田宗典「十七歳だった!」を借りてあっちゅうまに読んでしまいました。
 いやはや読んでいたらツイ自分も書きたくなってしまった。まあちょっと聞いてくれ。いや、聞かなくていいや。

 まあだいたい中3くらいの頃の話。平成10年頃かな?
 私もこの原田少年と全く同じく、自信過剰で虚栄心が強いガキであった。勝手に「煮干し巻き」という新しい料理を(頭の中だけで)創作して「これ美味いんだわ!」と無理矢理食べさせてみたり(自分は味見さえしていない)。夢を創作して「こんな凄い夢をみたんじゃ!」と友人を笑い地獄に貶めたり、意味不明な自慢を良くしていたような気がします。

 その時も、学校で我が家の充実振りを誇示するため、「うちにはプリンが、ぎょーさんあるんじゃ!賞味期限きれそうじゃけえ、いつでも食べにこい!」と学校で自慢(笑)をして回っておりました。実際には数個しか冷蔵庫には無かったんですけどね。
 このプリンの自慢(笑)を、おてんば娘の友人Y下さん♀にも言ってしまったことが、全ての始まりだったんだなあ今思うと。

 ところで、その当時プリンも大事だったけど、それ以上にエロ本は貴重であった。
 我々のコミュニティーでは、エロ本の主な供給者は「友人の兄」とたまに現れる「勇敢な友人」だった。数が少ないので如何に大きなコミュニティーを作り、効率よく回していくかというのが大事で、エロ本は読み終わると直ぐに友人に流し、常にエロ本の所在情報は共有して、最高水準のエコな情報化社会を実現していたと今でも思う(エロは地球を救う)。もちろん普段接しないコミュニュティーとも時には物の交換を行ったり。

 そのエロ本の流通を調整するための「市」は、学校で行われることもあったが、女性の音楽教師等に見つかって親にまで話が及んだ友人もいたっけか。やはり「市」は一度帰った後に友人宅で開かれることが一般的。

 そんな「市」が我が家で開かれたある日。
 我が家の二階にて、男子数人でエロ本を試見していると下から声が
親「お友達きたわよー」
 みんなバサッっとエロ本を閉じる。
Y下さん♀+S田さん♀「おじゃましまーす」
 この声を聞き、中三の我々はチャラケ半分でなぜかベッドの下に隠れる(事実)
 いやちょっとまてよと、みんな事実を認識し始め、かなり動揺し始める。Y下さんはプリンを食べに来たらしい。
 次第に部屋は大パニックに!
 駆け上ってくる女子達を止めるため、部屋の前でATフィールド全開。一方ではエロ本を隠匿へ。
「ちょっとまって!ちょっとまって!ちょっとまって!」
あっけなく侵入。
「何をしていたんだ!」
という激しい追求。

 そして、しどろもどろになりつつ、不自然に膨らんだベッドは余裕で見つかり、あえなくエロ本を献上。と、同時に男子どもの自尊心が完膚無きまでに打ち砕かれたのでした。音がしたと思うね、うん。
 「へーこんなん読むんだー」等と冷たい罵りを受けながら、男子どもは、我が家の数少ない少年漫画「ボンボン坂高校演劇部」と「ONEPIECE」を寡黙に読んでいたそうな。

 そんな事を思い起こした「十七歳だった!」でした。
 ちなみにこの本の内容はもっとちゃんと面白いですよ。腹抱えて読んでました。

 なおその後の話ですが、諸事情によりY下さんは転校してしまいました。あの騒動のせいでちょっと気まずい関係になってしまったままでの転校だったので申し訳ないなあと思うのと同時に、プリンはどうなったんだっけか。と思い出せない私でした。同窓会があったら謝りたい。
 そう言えばよく「プリン」って私はしょっちゅう言うけど、昔っから好きなんだねえ。多分語感が好きなんだろう。

Pages:

Leave a Comment


NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>