『篤姫 第九巻』佐野元彦

第32話 桜田門外の変
 幾島が大奥を去り、
 井伊直弼が桜田門外にして落命する。
第33話 皇女和宮
 天皇の娘「和宮」が将軍「家茂」に嫁に行くという話が、
 そして篤姫に薩摩に帰りませんか?との話が。
第34話 公家と武家
 和宮嫁入り。武家風の威厳を保たねばならない篤姫と、
 公家風を保とうとする和宮とその取り巻き。
第35話 疑惑の懐剣
 和宮が家持ちの寝床に刀を持ちこんだとか・・・。

 ってなことで九巻。
 命というか人権の軽さを感じる時代だなぁと思ってきました。
 女性は政治の為にあっちゃこっちゃ行かされ、制約を受け。男は面子の為に命を自ら絶ち、又は絶たされ。最も、今でも戦争が起これば想像の付かぬ数の人が死んだりするわけだけど。
 でも、男の面子というか、心意気に感動してしまうのも、また日本人である証拠なのよねぇ・・・。

 序盤、篤姫に井伊直弼が茶を点てる場面。
 篤姫は井伊直弼の反対勢力を片っ端から処罰する政治のやり方に強い不満を持っており、その事を話すための場であったお茶の場。
 そこで、井伊直弼が「汚れた手で立てたお茶でいいのですか?」等といいつつ、篤姫に茶を点てる。ぴーんと張りつめた空気の中、篤姫が茶を飲み・・・。
「くやしいが・・・これほど美味しい茶は初めてじゃ」
と一言。
 この篤姫のお茶を飲んだ時の表情から、言葉からなにからなにまで感動のシーンでありました。

 篤姫と井伊直弼は完全に意見の対極にいる人物。その篤姫が井伊の意見を聞く。それだけでも、めちゃめちゃ凄いことだと。年をとればとるほど、その難しさが身にしみています。
 そして、その極論の二人が歩み寄り、最上の議論が生まれようかというところで、桃の節句3月3日、井伊直弼が殺される。しかも篤姫の出身薩摩の人間に・・・。

 和宮・篤姫・滝山といった女性陣の強いこと強いこと。いやー。かっこいいよあんたら・・・くぅ。
 篤姫の酒発見。

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