Daily Archives: 2012 年 11 月 25 日

アダムとイヴ、エデンの園⇒『アダムとイヴ』岡田温司

 挿絵が楽しそうなので、衝動買いしてしまった一冊。世界で最も有名なカップル「アダムとイヴ」。この2人がどう歴史的に、また、画や彫刻を持って美術的に解釈されてきたのか。
 結構面白くて、

  • アダムは両性具有じゃないと話が成り立たない?
  • リンゴを食べたことは人間にとって良かったのか悪かったのか?
  • 「エデンの園」はどこにある?
  • アダムとキリストの関係は?
  • 一角獣の起源は誤訳・・・

 いろいろ興味深い話題を提供してくれます。
 でもって、こういったそれぞれの自分勝手な解釈を見ながら、「あいまいな表現を自分の「理屈」に当てはまるように解釈する歴史」こそが宗教そのものなんやなと。そのある意味での滑稽さを楽しむには最適やなと。まーもうちょっと賢そうに言うなら、その時代の要請を移す鏡なんでしょうなと。

 と以下だらだらと書くつもりだけれども、その前にエヴァンゲリオンの話に。
 エヴァンゲリオンが旧約聖書的な用語を持ってくるのは、「人間特有の悩み」を描く中で、一つの答えとして「じゃあ、人間が生まれる前の世界に戻るか」という提示をするための道具に過ぎないんってことなんじゃないかと。だから物語での用語の使い方自体には象徴的な意味しかもたないと。
 それをエヴァのファンが厳密な意味や歴史的な解釈と関連付けさせようとしている様は、まさに宗教ができる瞬間ではないかと、面白いかも。

 以下備忘録的に、章立てに沿って特に興味深かったところだけ。
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