Daily Archives: 2011 年 8 月 21 日

『日本永代蔵』井原西鶴 訳・注 暉峻康隆

 井原西鶴たん「日本永代蔵」
 1600年代の金儲け話総集編。
  金平糖の作り方を発見するプロジェクトX型の話から、両替時にちょいと重さを誤魔化しちゃうような悪い金儲けまで色々はいっとる。あるいは、女に狂い贅沢に狂い金を失うような話も同時に入っておりますな。また僧への批判やお上への批判なんかも、きちんと織り込まれている。さすがにこの辺は解説を読んでなるほどといった感じですが。
 この永代蔵が出版されたと思われる1600年代後半は、出版ビジネスがようやくできてきて(井原西鶴が日本出版界初の売れっ子作家という話も!?)、お上からの出版に対する規制は厳しくなっていたそうな。そこで、評判に関わるようなモノは、ある程度伏せ字にして。名誉な話は実名が分かるような状態で書かれている。
 金の視点からみた小説は、極端にリアリティーがあって面白いですよね。特に江戸の話なんて最初から最後まで面白かったですわ。 » Read more…