Daily Archives: 2011 年 5 月 22 日

『レベルE』冨樫義博

万城目師匠の「偉大なるしゅららぼん」
「もっと知りたい歌川国芳」展開が面白すぎるThe West Wingの7シーズン
宇多田ヒカルの「WILD LIFE」のDVD
 コンテンツ系だけでも書きたいことが山ほどあるのだけど、なんだかんだ忙しい今日この頃。
 まずは、借り物「レベルE」の思い出。夢野久作に「ドグラ・マグラ」で一発殴られた自分としては、なんというか嬉しい一品であった。作中で「少女地獄」を主人公が読んでいたり。

 レベルEは作者は言わずとしれた冨樫義博先生。もう45才なんですね。『幽☆遊☆白書』『HUNTER×HUNTER』が有名作だとか。幽白とか全く覚えていない。蔵馬がセーラームーンのタキシード仮面様に被ってるなあと思っていた気がする。バラだけですな。
 週刊ジャンプは読んでいたので、現在進行形で読んていたはず。しかしタイトルくらいしか覚えていなかった。1995-1997年の作品だったようで、最強に心がすさんでいた時期ですなあ。こんな文字や説明やめんどくさい話の多い漫画読めるわけがない(笑)

 物語は
 

現在、地球には、数百種類の異星人が行き交い、生活していると言われている。気付いていないのは地球人だけなのだ…

 とこんなところから始まる。
 不安定な土台の上に立たせた上で、あれやこれや思考実験させようという魂胆だ。おういえい。「ドグラ・マグラ」を正に思い出させてくれるじゃあありませんか。「人間と同じ形をした宇宙人」というのは絵だから面白いんだよね。今読むとかなり面白い。

 性同一性障害の話なんかもさらっと扱っていて上手い。異星人(♀)が地球に来て性同一性障害の女性(心は男性)に恋をする。この異星人は遺伝子レベルの治療が得意なもんだから「(異星人からみて)相手の体が女なら男に変えればいいだけの話だ」とさらっときたもんだ。この異星人が人類と交尾したら人類がなんやかんやで滅びると言うことで、止めようとする。
 そして止めるために、その恋された人類の女性のクローンを作って、その場を凌ぐ。一個一個は細かい社会問題が入っているけど、今我々が「メルトダウン」と聞いて驚かないように、ごっちゃごっちゃでエライことになると、結構どうでもよくなる。と言う事を感じさせてくれますね。

 作品中個人的に一番面白かったのは最初の話。攻撃的な異星人を巻き込んで天才王子が盛大な芝居を打ち上げる。その攻撃的な異星人が、地球人を侵略しない理由は「野球が見られなくなるから」。畜生ぶっ飛んでやがる。いい味出してるよなー。でもさ、野球なんて人類滅ぼしても自分たちでやればいいじゃん。と思ったのは野球に対する愛が足りないからだろうか。
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